第3回 食育について

特集03:「食育」という言葉は、明治時代から使われていたようですが、当時はあまり一般的ではなかったようです。現在のように頻繁に使われ出したのは、2002年に食育調査会が設置され、その翌年小泉純一郎氏が、服部幸應氏(服部栄養専門学校校長・料理評論家)の著書「食育のすすめ」に感銘を受けたからともいわれています。
「食」の知識と「食」を選択する力
永田

食育が取り上げられるようになってから数年経ちましたが、この分野も後藤先生のご専門ですね。管理栄養士という立場から「食育」をどのようにお考えですか?
後藤

現在はとても難しい状況にあると思います。それは「食育」という言葉だけが一人歩きしていて、その先にあるものが見えない、「食育」に対する知識をもっと広める必要がありますね。
永田



私もあちこちで講演やセミナーを実施していますが、管理栄養士の集まりでは熱心に聞いてくださる内容も一般の方にとっては難しすぎる。ですから一般の方々がご存知のことを話しながらその中に新しい情報をちりばめる。そうすると熱心に聞いてくださって、知識として取り入れてくださいます。
「食」の知識と「食」を選択する力
後藤




健康の源は食事と言われているように、食事の大切さは皆さんわかっていますが、何せ忙しい世の中、時間に追われて生活している方が多いですね。
そのような方にとても手軽なインスタント食品や、単品の冷凍食品がどこででも売られています。とても簡単で便利なので好きなものばかりを選んでしまいがちですね。そこが問題なのです。選び方を学んで欲しいです。例えばこの料理は野菜が少ないとか、揚げ物が多すぎるとか。であれば野菜を一品増やそうとか、揚げ物は少なめの物にしようかというようにちょっと考えて選ぶと食事としてのバランスがとれてきますね。
1日の摂取量目安:例えば…これだけでは野菜不足と感じたら、不足した分の野菜はサラダをプラス!
永田
ファーストフードも便利に利用することができるというわけですね。手軽に必要なカロリーを得られると考えて食べれば、それも食育であるということですね。
後藤
私もそう思っています。ただ手軽さや簡単に食べられると言うことで「食事」の大切さを忘れそうになっているのではないでしょうか。それを知っていただくのも、おまかせ健康三彩の役割だと考えています。
永田
なるほど、規定食の大切さというわけですね。
後藤






バランスのとれた食事が大切とわかっていても、でもそこまで考えられない!
そこで私が考案しましたのが「おまかせ健康三彩」です。
おまかせ健康三彩は主菜と副菜が2つでセットになっています。これは食事に基本の型です。塩分やカロリー、GI値に考慮し、量や彩りにもずいぶんと気をつかいました。これを食卓に並べるだけでバランスの摂れた食事ができます。特に栄養の知識がなくても心配要りません。
おまかせ健康三彩には主食である「ごはん」が付いていません。それは私たち1日の食事の量が年齢・性別・身長・過ごし方・運動の有無などでずいぶんと違うからです。私の思いとしては今後皆さんそれぞれのごはんの量や、1日に必要な食事量をお教えできたらいいなと思っています。
永田
おまかせ健康三彩が食育に果たす役割は大きいですね、今後も共により良い製品を開発していきましょう。
プロフィール
永田 孝行(ながた たかゆき) 永田 孝行 (ながた たかゆき)
1958年10月10日生 名古屋市出身。
医学博士、ACSM(アメリカスポーツ医学会)公認HFI(ヘルスフィットネスインストラクター)、健康運動指導士(厚生労働省)など。
東京大学大学院医学系研究科に於いて肥満と代謝を研究する。
生活習慣病予防と改善の為の食事療法としてGI値(グリセミックインデックス)に着目し、実証研究の後に血糖値とインシュリンに注目した減量法を提唱する。
減量(ダイエット)及び健康や運動に関わる書籍は国内外で58冊出版し、書籍販売総数は500万部を突破した。
現在、(株)TNヘルスプロジェクト代表取締役、TN健康科学研究所所長。
主な活動としては各健康保険組合及び各企業を通して社員の健康・保健指導や生活習慣病予防と改善対策に於ける食品の研究開発、コンサルタントなどを行っている。
また、講演活動や雑誌の指導・監修、テレビ、ラジオ、新聞などの取材も多数受けながら健康に関する啓蒙活動に尽力している。
後藤 恭子(ごとう きょうこ) 後藤 恭子(ごとう きょうこ)
管理栄養士
日本栄養士会会員・産業栄養指導者会会員

元気はつらつ!食生活研究所所長
 トオカツフーズ株式会社 健康三彩開発顧問
 TN健康科学研究所 栄養主任 統括マネージャー
 株式会社ニチダン顧問
特集

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