第1回 健康のためには、カロリーとGI値を知ろう

特集01:欧州では主流となっている「GI値」がようやく日本でも少しずつ取り上げられるようになってきました。おまかせ健康三彩のメニューも健康の指標となるカロリーや塩分と同じように、「GI値」をメニュー作りに反映させています。ところで、この「GI値」とはどのようなことを表す値なのでしょうか?おまかせ健康三彩メニュー考案者の管理栄養士・後藤恭子先生と日本におけるGI値研究の第一人者であるTN健康科学研究所所長・永田孝之先生に解説していただきました。
「GI値」を知ることで、より健康的な食事に「GI値」を知ることで、より健康的な食事に
後藤
私たち栄養士は、カロリーや塩分など様々な数値を表示していますが、最近「GI値」をその中に含める方が少しずつ増えてきていますね。
永田







日本では、「食」の健康を計る数値としてカロリーや塩分などが表示されていますが、オーストラリアやカナダなどでは「GI値」を指標として加えています。「GI値」とは、その食材が血糖値をどのくらい上げるかを表した数値で、各食材摂取後120分迄の血糖曲線下面積の比較ですが、ブドウ糖を基準値の100としてその何%に当たるかをヒトによる実証実験で算出しています。
あらゆる食品群から低GI値食材をバランス良く摂取する為にはGI値60以下を目処にした食品を組み合わせて食べることで高血糖、つまり糖尿病の予防にもつながるというわけです。
「GI値」を知ることで、より健康的な食事に
後藤
でもGI値が60以下であれば、たくさん食べていいと言うことではありませんよね。
永田

そのとおりです、GI値は低ければ低いほど良いわけではありません。カロリーの低い食品もたくさん食べればその合計カロリーを取り入れてしまうように、GI値が低いからといってたくさん食べてしまってはいけません。似た食材でもGI値の低いものに置き換えることで、血糖上昇を抑えようとするものです。
後藤
白米よりは玄米、食パンよりは全粒粉パンというわけですね。
低GI値を取り入れた「おまかせ健康三彩」のメニュー
永田
低GI値を取り入れた「おまかせ健康三彩」のメニュー作りにあたって特に気遣っていることはありますか?
後藤



はい。例えばニンジンはGI値が高めですが、ニンジンを使うために砂糖をみりんに変えるなどの工夫をしています。また彩りとしてニンジンの変わりに赤パプリカを使ったりしています。どうしても「食」を考えるときの数値がカロリーに向かいがちですが、GI値については、もっと広く知っていただくことで、より健康的な食事になりますね。
永田


カロリーも大切な数値ですが、消化力、吸収力、さらに極端なケースではスポーツ選手に必要なカロリーなど、人それぞれの能力、環境によって大きく左右されます。あくまでも目安となる数値として考え、そこにGI値の考え方を取り入れて健康に役立てていただきたいですね。
後藤
そうですね。私もおまかせ健康三彩を通じて、皆さんにもっと「食」の大切さを知っていただけるようにがんばります。
プロフィール
永田 孝行(ながた たかゆき) 永田 孝行 (ながた たかゆき)
1958年10月10日生 名古屋市出身。
医学博士、ACSM(アメリカスポーツ医学会)公認HFI(ヘルスフィットネスインストラクター)、健康運動指導士(厚生労働省)など。
東京大学大学院医学系研究科に於いて肥満と代謝を研究する。
生活習慣病予防と改善の為の食事療法としてGI値(グリセミックインデックス)に着目し、実証研究の後に血糖値とインシュリンに注目した減量法を提唱する。
減量(ダイエット)及び健康や運動に関わる書籍は国内外で58冊出版し、書籍販売総数は500万部を突破した。
現在、(株)TNヘルスプロジェクト代表取締役、TN健康科学研究所所長。
主な活動としては各健康保険組合及び各企業を通して社員の健康・保健指導や生活習慣病予防と改善対策に於ける食品の研究開発、コンサルタントなどを行っている。
また、講演活動や雑誌の指導・監修、テレビ、ラジオ、新聞などの取材も多数受けながら健康に関する啓蒙活動に尽力している。
後藤 恭子(ごとう きょうこ) 後藤 恭子(ごとう きょうこ)
管理栄養士
日本栄養士会会員・産業栄養指導者会会員

元気はつらつ!食生活研究所所長
 トオカツフーズ株式会社 健康三彩開発顧問
 TN健康科学研究所 栄養主任 統括マネージャー
 株式会社ニチダン顧問

第2回 メタボリックシンドローム

特集02:2008年4月から実施されている「特定健康・保険指導」は、「メタボリックシンドローム」の早期発見、早期改善・治療を目的とした健康診断で、40~74歳の医療保険化入者が受診すべきものです。いよいよ日本も国を挙げて「生活習慣病」予防に乗り出したというわけですが、最近よく耳にするこの「メタボリックシンドローム」とは?「おまかせ健康三彩メニュー」考案者の栄養管理士・後藤恭子先生とTN健康科学研究所所長・永田孝之先生に解説していただきました。
バランスのとれた食事でメタボリックシンドローム予防
あなたは大丈夫ですか? メタボリックシンドロームの診断基準
内臓肥満:ウエスト周囲径 男性:85cm以上、女性:90cm以上、又はBMI125以上+高血圧・高血糖・血清脂質異常
内臓肥満に加え、上記のうち2項目以上が該当する場合…メタボリックシンドローム!! 1項目でも当てはまれば、メタボリック予備軍! 脳卒中、心筋梗塞、糖尿病などの生活習慣病の原因となる
後藤
いよいよこの4月から「特定健診」が義務づけられ、厚生労働省も本格的にメタボリックシンドローム対策に乗り出しましたね。
永田



いよいよこの4月から「特定健診」が義務づけられ、厚生労働省も本格的にメタボリックシンドローム対策に乗り出しましたね。
生活習慣病予防の一環として実施し、5年後にその成果を判定しようとするもので、基準値設定の方法など決定後も議論を重ねている部分もありますが、動き出したことにはたいへん意義がありますね。
後藤
基準値の統一などは医療の専門家にお任せしなければなりませんが、私たちのように栄養や食を健康に活かそうとするものにとっては、前回お話ししてくださったGI値の普及なども大切ではないでしょうか?
バランスのとれた食事でメタボリックシンドローム予防
永田
おっしゃるとおりです。メタボリックシンドロームは内臓脂肪型肥満と血清脂質異常、高血圧、高血糖のうち2つ以上が合併したものですが、高血糖対策にはGI値を取り入れることがたいへん有効です。
後藤
GI値の高い食材をGI値の低い食材に入れ替えて食事を作ることで、おいしさをかえずに健康的な食事になるということですね。白米よりは玄米、食パンよりは全粒粉パンというわけですね。
白米>玄米 うどん>そば にんじん・じゃがいも>赤パプリカ・さつまいも
日本の食生活は糖尿病になりやすい? 日本の食生活は糖尿病になりやすい?
永田

海外でのGI値に対する認識は高く、例えばオーストラリアではスーパーで売られている飲料などの中にも「Low GI(GI値低め)」の表示があるくらいです。
後藤

一般にもGI値の考え方が普及しているということですね。でも欧米やオセアニアには太っている人がたくさんいますが、メタボリックシンドロームの人が多いということですか?
永田




決してそうではありません。その理由は日本人と欧米人の食生活の大きな違いにあります。日本人の食に占める炭水化物の割合は60%程度ですが、これは欧米人をはるかに上回るもので、炭水化物の摂取量の多さが血糖値上昇につながり糖尿病発生率を上げてしまっています。逆に欧米人の脂肪分は日本人のそれをはるかに上回り、太った方も多くいますが糖尿病の発生率は日本を下回っています。
後藤
食生活、食文化は健康に大きな影響を与えるのですね。これらを正しく伝えてゆくのが私たち管理栄養士の大切な仕事ですね。
最悪は死にいたる病気の入口でもあるメタボリックシンドローム。日頃からの運動や、食生活がなによりも大切なんですね。
プロフィール
永田 孝行(ながた たかゆき) 永田 孝行 (ながた たかゆき)
1958年10月10日生 名古屋市出身。
医学博士、ACSM(アメリカスポーツ医学会)公認HFI(ヘルスフィットネスインストラクター)、健康運動指導士(厚生労働省)など。
東京大学大学院医学系研究科に於いて肥満と代謝を研究する。
生活習慣病予防と改善の為の食事療法としてGI値(グリセミックインデックス)に着目し、実証研究の後に血糖値とインシュリンに注目した減量法を提唱する。
減量(ダイエット)及び健康や運動に関わる書籍は国内外で58冊出版し、書籍販売総数は500万部を突破した。
現在、(株)TNヘルスプロジェクト代表取締役、TN健康科学研究所所長。
主な活動としては各健康保険組合及び各企業を通して社員の健康・保健指導や生活習慣病予防と改善対策に於ける食品の研究開発、コンサルタントなどを行っている。
また、講演活動や雑誌の指導・監修、テレビ、ラジオ、新聞などの取材も多数受けながら健康に関する啓蒙活動に尽力している。
後藤 恭子(ごとう きょうこ) 後藤 恭子(ごとう きょうこ)
管理栄養士
日本栄養士会会員・産業栄養指導者会会員

元気はつらつ!食生活研究所所長
 トオカツフーズ株式会社 健康三彩開発顧問
 TN健康科学研究所 栄養主任 統括マネージャー
 株式会社ニチダン顧問

第3回 食育について

特集03:「食育」という言葉は、明治時代から使われていたようですが、当時はあまり一般的ではなかったようです。現在のように頻繁に使われ出したのは、2002年に食育調査会が設置され、その翌年小泉純一郎氏が、服部幸應氏(服部栄養専門学校校長・料理評論家)の著書「食育のすすめ」に感銘を受けたからともいわれています。
「食」の知識と「食」を選択する力
永田

食育が取り上げられるようになってから数年経ちましたが、この分野も後藤先生のご専門ですね。管理栄養士という立場から「食育」をどのようにお考えですか?
後藤

現在はとても難しい状況にあると思います。それは「食育」という言葉だけが一人歩きしていて、その先にあるものが見えない、「食育」に対する知識をもっと広める必要がありますね。
永田



私もあちこちで講演やセミナーを実施していますが、管理栄養士の集まりでは熱心に聞いてくださる内容も一般の方にとっては難しすぎる。ですから一般の方々がご存知のことを話しながらその中に新しい情報をちりばめる。そうすると熱心に聞いてくださって、知識として取り入れてくださいます。
「食」の知識と「食」を選択する力
後藤




健康の源は食事と言われているように、食事の大切さは皆さんわかっていますが、何せ忙しい世の中、時間に追われて生活している方が多いですね。
そのような方にとても手軽なインスタント食品や、単品の冷凍食品がどこででも売られています。とても簡単で便利なので好きなものばかりを選んでしまいがちですね。そこが問題なのです。選び方を学んで欲しいです。例えばこの料理は野菜が少ないとか、揚げ物が多すぎるとか。であれば野菜を一品増やそうとか、揚げ物は少なめの物にしようかというようにちょっと考えて選ぶと食事としてのバランスがとれてきますね。
1日の摂取量目安:例えば…これだけでは野菜不足と感じたら、不足した分の野菜はサラダをプラス!
永田
ファーストフードも便利に利用することができるというわけですね。手軽に必要なカロリーを得られると考えて食べれば、それも食育であるということですね。
後藤
私もそう思っています。ただ手軽さや簡単に食べられると言うことで「食事」の大切さを忘れそうになっているのではないでしょうか。それを知っていただくのも、おまかせ健康三彩の役割だと考えています。
永田
なるほど、規定食の大切さというわけですね。
後藤






バランスのとれた食事が大切とわかっていても、でもそこまで考えられない!
そこで私が考案しましたのが「おまかせ健康三彩」です。
おまかせ健康三彩は主菜と副菜が2つでセットになっています。これは食事に基本の型です。塩分やカロリー、GI値に考慮し、量や彩りにもずいぶんと気をつかいました。これを食卓に並べるだけでバランスの摂れた食事ができます。特に栄養の知識がなくても心配要りません。
おまかせ健康三彩には主食である「ごはん」が付いていません。それは私たち1日の食事の量が年齢・性別・身長・過ごし方・運動の有無などでずいぶんと違うからです。私の思いとしては今後皆さんそれぞれのごはんの量や、1日に必要な食事量をお教えできたらいいなと思っています。
永田
おまかせ健康三彩が食育に果たす役割は大きいですね、今後も共により良い製品を開発していきましょう。
プロフィール
永田 孝行(ながた たかゆき) 永田 孝行 (ながた たかゆき)
1958年10月10日生 名古屋市出身。
医学博士、ACSM(アメリカスポーツ医学会)公認HFI(ヘルスフィットネスインストラクター)、健康運動指導士(厚生労働省)など。
東京大学大学院医学系研究科に於いて肥満と代謝を研究する。
生活習慣病予防と改善の為の食事療法としてGI値(グリセミックインデックス)に着目し、実証研究の後に血糖値とインシュリンに注目した減量法を提唱する。
減量(ダイエット)及び健康や運動に関わる書籍は国内外で58冊出版し、書籍販売総数は500万部を突破した。
現在、(株)TNヘルスプロジェクト代表取締役、TN健康科学研究所所長。
主な活動としては各健康保険組合及び各企業を通して社員の健康・保健指導や生活習慣病予防と改善対策に於ける食品の研究開発、コンサルタントなどを行っている。
また、講演活動や雑誌の指導・監修、テレビ、ラジオ、新聞などの取材も多数受けながら健康に関する啓蒙活動に尽力している。
後藤 恭子(ごとう きょうこ) 後藤 恭子(ごとう きょうこ)
管理栄養士
日本栄養士会会員・産業栄養指導者会会員

元気はつらつ!食生活研究所所長
 トオカツフーズ株式会社 健康三彩開発顧問
 TN健康科学研究所 栄養主任 統括マネージャー
 株式会社ニチダン顧問

第4回 夏の疲れ対策 夏バテに勝つ!

特集04:夏バテとは? 人間の体内での代謝は、体温が37℃位の時が最もスムーズに行われます。この体温を維持するために、いくつかの調節機能があります。夏バテとは、夏の暑さに対して体温調節がうまくできないことからおこり血圧が低下したり、血液の循環が悪くなったり、思考力が鈍る、全身がだるくなるなどの症状が出てくることです。 こんな生活になっていませんか?
こんな生活になっていませんか?
蒸し暑い外とクーラーの効いた室内の出入りの回数が多いほど、体温調節のために、普段より多くのエネルギーを消耗してしまいます。その結果、全身がだるくなり、胃腸の働きも弱まるので食欲もなくなり、冷たいものばかり飲むので必要な栄養素が摂取できずに、ますます体調が悪くなるという悪循環になってしまいます。
また夜、寝苦しいため睡眠不足になる。といったことが重なって体力も低下し、ときには頭痛・発熱・めまいなどの症状を伴うこともあります。
これらの症状に悩まされる人は、体力をつけることが大切です。
夏バテになってしまったら…
1
食欲が落ちても、美味しく食べられる工夫をしましょう
  • 酢・香味野菜・スパイスなどは、香りで食欲を増し、食べると胃を刺激して消化液の分泌を促し、消化をスムーズにする働きがあります。また、カレー粉や唐辛子などの刺激物を食べると発汗して体熱を逃がすので、汗がひくと体温が下がって涼しくなります。
  • 熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷やして食べるようにしましょう。
  • 味付けはやや濃いめにする。ただし、塩分だけを増やすのではなく、酸味・香味野菜やスパイスを上手く利用する事が大切です。
  • 油を使った料理はカロリーが高いので、少量でエネルギーが確保できます。
  • 涼しげで彩りのよい料理や盛り付け、ガラスの器などで、食卓を演出しましょう。
  • 少量の食前酒は、食欲を増進させます。
2
良質のたんぱく質を不足しないように摂りましょう
  • 肉・魚・大豆製品・卵・牛乳など。胃腸が弱っている時は消化のよいものを。
3
ビタミンB1を効率よく摂りましょう
  • ビタミンB1は、糖質が体内でエネルギーに変わる時に不可欠な栄養素です。不足すると食欲不振・めまい・動悸・倦怠感などの症状が現れます。
  • ビタミンB1を多く含む食品は、豚ヒレ肉・豚もも肉・焼き豚・鶏レバー・鰻蒲焼き・大豆・そら豆・ナッツ・落花生・玄米ごはん等です。
  • ねぎ・にんにく・にらなどに含まれる硫化アリルはビタミンB1の吸収をよくします。
4
冷たいものの摂りすぎに気をつけましょう
  • アイスクリーム・ジュース・ビールなどを摂りすぎると、食事の量が減り、栄養バランスが悪くなります。
5
室内の温度を下げすぎないようにしましょう
  • クーラーの設定温度を高めにしましょう。
  • 外出するときは、はおる物を用意しましょう。
  • 暑さに慣れることも必要です。
夏バテしないために心がけておきたいこと ・規則正しい生活 ・適度な運動 ・バランスのとれた食事 ・十分な休息と睡眠

第5回 秋の味覚!

特集05:秋の味覚!
さつまいも
さつまいも

天高く馬肥ゆる秋~これから初冬にかけて旬の”さつま芋”
さつま芋の主成分は、炭水化物で蔗糖や果糖、ブドウ糖を多く含んでいますので芋類の中で唯一強い甘みを持つのが特長です。
ビタミンCやビタミンE、カリウムや食物繊維もたっぷり!
便秘予防や整腸作用疲労回復、シミ・ソバカスにも有効で女性にとって嬉しい食材です。

さつま芋は、強い甘みをもっているので副食として、含め煮・てんぷら・きんぴらなど
で食しますが、間食やデザート感覚で、きんとん・大学芋・スイートポテト・さつま芋と
りんごの重ね煮・パイ・焼き芋など…惣菜からおやつまで幅広い利用法があります。

秋のティータイムに、スイートポテトなどお勧めです♪

Point:よりおいしく さつまいもを食べるには?

皆さんはさつま芋を電子レンジで加熱して食べると甘味が少ないことを実感していませんか?さつま芋の甘味はアミラーゼというでんぷんで、60℃位で糖化が進み大きいまま加熱すると糖分が増えて甘みも増します。焼き芋がホクホク甘くておいしいのはこのためです。

さつま芋は空気に触れると変色しやすいので、切ったらすぐに水につけましょう。
煮る時には、レモンのスライスを入れると色よく仕上がります。
調理に少し塩を用いると甘味が強調されます。ふかし芋が蒸しあがったところに塩を少々ふるとより甘みが増します。
さつま芋を甘辛く煮るには、やや大きめに切り、調味料を最初から加えておくと内部までよく浸透すると共に、組織を引き締めて煮崩れが防げます。

選ぶ時は、なるべく太く、皮の色が均一でつやのあるものを、凸凹の少ないなめらかな物を、皮の一部が黒くなっているものは、その部分が苦いので避けましょう。
ひげ根の多いものは筋っぽいので避けたほうがよいでしょう。

買ってきたら、さつま芋は寒さに弱いので、冷蔵庫には入れないようにしてくださいね。新聞紙などに包んで、冷暗所に置いておきましょう。

秋刀魚(さんま)
秋刀魚(さんま)

さんまは「秋刀魚」と書くように、ずばり秋が旬の魚です。
江戸時代には、「さんまがでるとアンマがひっこむ」といわれたほど、栄養価の高い庶民の味として親しまれていました。
また、昔から落語や諺、さまざまな言い回しにも登場するほど親しみやすい魚としておなじみですね。最近は”魚離れ”ということが言われ、魚の需要が年々減ってきていますが、「薬の魚・さんま」といわれるほど生活習慣病予防にぴったりの魚です。
子どもからお年寄りまでぜひぜひ食べていただきたい魚です。

さんまは回遊魚で、秋の北海道から南下し始める頃のものが、最も脂質の含量が高くおいしいです。さんまの脂に多く含まれるEPAやDHA。EHA(エイコサペンタエン酸)は食品から摂らなければ人間の体内で作ることができません。血液をサラサラにして動脈硬化や心筋梗塞を防ぐ働きがあるので、多くの生活習慣病の予防・改善に効果があります。
DHA(ドコサヘキサエン酸)は脳の発育や機能維持に効果があり、ボケ防止に役立ちます。
悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす働きがありますので、さんまや鯖・ブリ・はまち・いわしなどの魚は積極的に食べてください。


Point:よりおいしく 秋刀魚を食べるには?

さんまの栄養を丸ごと食べるには、栄養分は脂と内臓に含まれているので、姿のまま、脂を落とさないようにすることがポイントです。
内臓も味が良く苦味も穏やかなのでぜひ食べてください。生臭みや苦みを和らげ、季節の味をだすには、大根おろしをたっぷり添えたり、すだちやかぼす、レモンなどの汁を落とすとよいでしょう。
焼き魚のほか、脂を上手に摂るには鉄板でバター焼きにしたり、オイル焼き・チーズ焼き・みそ焼き・つけ焼き・カレー煮・甘辛煮…いろいろと挑戦してみてください。
加熱したものは冷めると身がしまって硬くなるので、熱いうちに食べましょう!

選ぶ時は、体にはりがあり、背部の青黒色が鮮やかに輝いて光沢のあるものを選びましょう。目が真っ黒いのも要チェックです。

これからは、さつま芋やさんまの他に、
じゃが芋・里芋・山の芋・なす・かぼちゃ・菊の花・きのこ類・かつお・いわし・さば・さけ・えび
いちじく・柿・なし・ラフランス・りんご・ぶどう・かりん…

秋を満喫してください!食欲の秋・読書の秋・スポーツの秋です。

第6回 ハーブで心もからだも美しく!

特集06:読書の秋です!秋の夜長をハーブティーを楽しみながら物語の世界に…虫の音や音楽を聴きながらゆったりとハーブティーを…毎日の生活の中で、ちょっと一息気分を変えてくれますね!のどの渇きを潤すだけでなく色や香り、味を楽しむ。ハーブティーはそんな心のゆとりをつくりだしてくれます。今回はハーブのお話です。 About Herb ハーブとは… About Herb ハーブとは…

本来は「草」の意で人間にとって有効な働きのある植物のことをいいます。料理に風味を添えるだけでなく、薬効・健康増進・美容・芳香・防虫・防臭・染色など様々な働きがあります。
パセリ・バジル・ミント・セージ…などの他、私達が昔からなじんできた、しそ・わさび・みつば・みょうがなどもハーブでその種類は数多くあります。主に茎・葉・花などの部分を使います。


料理によくつかわれるハーブ
料理に使うことで、肉や魚の匂いや臭みを消したり塩などの調味料を控えることができます。
また香りや風味を増すだけでなく、身体にも良い効果が期待できます。ハーブの特徴を知り、好きな香りを選び、しっかり楽しみたいのであればたくさん入れて、あっさりめが好きなら少なめに使用するとよいでしょう。

【バジル】
イタリア料理に欠かせないハーブ。パスタやトマトを使ったサラダのほかにハーブオイルやビネガーに利用するとよいです。

【タイム】
肉や野菜のブーケガルニとして、
ハーブバターやハーブオイルにも向きます。

【ディル】
ポテトや魚料理と相性がいいです。ビネガー漬けやピクルスにも使われます。

【イタリアンパセリ】
サラダやサンドイッチ、スープ、煮込みにと幅広く使えます。

【オレガノ】
トマトやチーズとの相性は抜群。ピザ・パスタ・リゾットなどによく使われます。

【フェンネル】
魚料理によく使われます。種子はケーキやクッキーに焼きこんだりします。

【ローズマリー】
肉料理やポテト料理、煮込み料理によく合います。パンやクッキーに入れて焼くと甘さが引き立ちます。

【セージ】
数あるハーブの中でもベストと言っていいほど利用価値の高いハーブです。肉料理の臭み消しに、イワシやサバなどのくせの強いものと良く合います。

【レモングラス】
刻んで、エスニック料理やタイ料理によく使われます。

ハーブティー
ハーブはヨーロッパでは、風邪をひいたり、お腹をこわしたりといった、ちょっとした不調のために常備されていたお茶のようで、民間療法として親しまれていたとのこと。
ハーブには多くの薬効がありますが、ハーブティーの魅力は何といっても、色・香り・味ですね。楽しみながら飲むことでその効能がより高まるでしょう。それぞれのハーブが個性を持っていますが、さらにいくつかのハーブをブレンドすることでそれがより豊かになります。
自分だけのオリジナル、お気に入りの色・香り・味を探したらいかがでしょう!
ハーブの効能
  • カモミール … 精神安定、風邪(初期)、胃腸障害
  • レモングラス … 発熱、頭痛、消化促進、整腸作用、貧血
  • オレガノ … 頭痛、生理痛、強壮作用
  • ディル … 食欲増進、消化促進、口臭防止
  • ミント … リラックス効果
  • フェンネル … 食欲増進、便秘
  • ラベンダー … 安眠作用、便秘、精神疲労回復
  • タイム … 喉の痛み、頭痛、疲労回復、安眠作用
  • セージ … 鎮静、鎮痛、安眠作用
  • バジル … リラックス効果
ハーブティーの入れ方

フレッシュハーブなら3本指で一つまみ。
ドライならティースプーンで1杯が1カップ分の目安量です。

温めたポットの人数分のハーブを入れ、熱湯を注ぎます。
※必ず沸騰したお湯を使いましょう。

フレッシュハーブなら4~5分、ドライハーブなら3分ほど蒸らし、温めておいたティーカップに注ぎます。

アロマテラピー
私たちの日常生活の中にはいたるところにストレスの原因となるストレッサーが潜んでいます。
気付かないうちにストレスは溜っています。ストレスの原因を解決することが大切ですが、それが簡単にできないことも多いですよね。そんなときにはリラックス方法の一つアロマテラピーを試してみてはいかがでしょう。
アロマテラピーとは
アロマ=芳香、テラピー=療法という意味です。
花や草などの植物から抽出される天然の芳香成分”精油(エッセンシャルオイル)”は、心と身体のバランスを整え、人間本来の自然治癒力や抵抗力を高めます。
健康や美容にとても役立ってくれる植物の力、それがアロマテラピーです。
西洋では病気の予防・治療にアロマテラピーが用いられているとのことです。
お勧めの精油の効能
  • ストレスを感じる時に
    ラベンダー、イランイラン、ローズ、フランキンセンス、サンダルウッドなど
  • 落ち込んだ時に気分を明るくさせる
    ローズマリー、ベルガモット、グレープフルーツ、スイートオレンジ、ジャスミンなど
  • 緊張をほぐす
    ラベンダー、イランイラン、カモミール、ネロリ、ローズ
  • 不眠解消に
    ラベンダー、カモミール、サンダルウッド
  • 肩こりを和らげる
    ラベンダー、ローズマリー、カモミール
  • 風邪やのどの炎症に
    ユーカリ、ラベンダー、サイプレス、シダーウッド
ハーブの楽しみ方がおわかりいただけましたか?ぜひぜひ心もからだも美しく!!

第7回 冬の食材

特集07:トオカツフーズでは、秋限定メニュー好評につき12月に冬限定メニュー3セットを発売します。寒い冬も身体を冷やすことなく元気に過ごしましょう。 身体を温める鍋

日本人の大好きな「すき焼き」!

白菜や葱など冬が旬の食材をたっぷりいれて、牛肉とともにちょっと濃いめの味付けでいただく…
おいしいですね~
牛肉は良質のたんぱく質を多く含んでいます。たんぱく質はβ-カロテン・ビタミンB2,C・カルシウムの・鉄などの代謝に欠かせない栄養素です。
ちょっと気になるのが、肉類に含まれる脂肪。悪名高いコレステロールを含んでいることです。
しかし、すき焼きなら安心です。コレステロールを運び出す働きのある食物繊維を多く含んでいる野菜がいっぱいです。ぜひ野菜も残さず食べてくださいね!

「たらふく食う」の語源をご存知ですか?

「たらチゲ」のたらは、「鱈」と漢字では書くようにまさに冬の季節の魚です。
「たらふく食う」という言葉の”たら”は、この魚を語源とされたように、驚くほどの食欲でより好みしないで何でも食べ、この大食漢のお腹のプックリ膨れ上がったあたりを指しての命名とか。
鱈は底魚ですから、たんぱく質や脂質は多くないですが、グルタミン酸やイノシン酸を豊富に含んでいるので淡白な味ですが大変おいしいです。
余談ですが、「たらこ」は鱈の卵巣を塩漬けにしたもの。唐辛子を加えたものは「からしめんたいこ」として有名ですね。「すじこ」は鮭の卵巣を分離させずにそのまま塩漬けにしたもので、卵粒を網目を通して分離したものを「いくら」といいます。「からすみ」はボラの卵巣を塩漬けにした後、塩抜きして乾燥させたものです。
旬の食材

食べ物には本来、身体を養う栄養素だけでなく、バランスを整える働きもあります。
夏に旬を迎えるナスやきゅうり、トマト等は利尿作用があり、身体のほてりを冷ます働きがあり、冬に旬を迎える根菜類は身体を温め、寒くても動けるようにエンジンをかける働きをします。
身体のバランスを整えるのには、自分の地域でとれた旬のものを食べることが大切ですね。

寒い季節には、身体を温める効果のある食品を多く摂り入れ、身体の中をホカホカにしましょう!
ここで冬メニューで使用している食品を含め、身体を温める食品を紹介しましょう。

身体を温める効果のある食品
唐辛子

【唐辛子】
唐辛子のピリッとした辛みは、辛味成分のカプサイシンです。
唐辛子を食べると身体が温まり、汗が出てきますね。
これはカプサイシンが毛細血管の血液循環を良くするためです。

しょうが

【しょうが】
しょうがの辛味成分のジンゲロンやショウガオイルは新陳代謝を活発にし、身体を温め発汗作用があります。中国ではしょうがの身体を温める作用を利用して、風邪・咳・冷え性などに薬として使用しているとか。
寒い冬にはジンジャーティにして飲むと身体のすみずみまでポカポカしてきます。

にんにく

【にんにく】
にんにくに含まれるスコルジンは、新陳代謝をはかり、血行をよくする働きがあります。

ねぎ

【ねぎ】
ねぎ独特の刺激臭はアリシンという揮発性の成分で、血行をよくして身体を温める働きがあります。

にら

【にら】
にら独特のにおいの成分の硫化アリルは、エネルギー代謝を高め身体を温める働きをします。

せり

【せり】
せりの香りのもとの精油成分には、発汗、保温作用があり身体を温めてくれます。

シナモン

【シナモン】
シナモンの辛味成分はお腹を温めてくれる働きをします。

身体を冷やす食品は、炒めたり揚げ物にしたり、煮物にするなど調理法を工夫しましょう。
また、身体を温める食品と組み合わせたりして、身体を温める食事をこころがけましょう。

日常生活や食生活を見直してみましょう。

これから寒さが一段と厳しくなる冬が訪れてきます。寒い、寒いと言って暖房の効いた部屋でゴロゴロし、運動不足に加え、口寂しくてついつい食べ物に手が…
これでは基礎代謝は低下しますし、肥満の原因にもなりかねませんね。
少し日常生活や食生活を見直してみましょう。

私たちの身体作りに欠かすことのできないものが「食事」です。日本の今は飽食の時代、そこかしこにスーパー、ファーストフードショップなどがあり24時間開業しています。そして季節に関係なくありとあらゆる食材が並べられています。
そのような環境の中で私達は何も考えずに、食べたい時に食べたい物を好きなだけ食べることができるようになってしまいました。

今や糖尿病および予備軍が約2千万人弱になると言われています。いつ、どこで、何を、どのようにして、どのくらい食べたら良いのかを考えて食べることが必要です。

●1日3食をきちんと食べましょう。 ●糖質・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルをバランスよく食べましょう。 ●旬のものを食べましょう。 ●活動的な生活を心がけましょう。 ●運動を習慣づけましょう。 厳しい冬を快適に過ごしてくださいね!

第8回 風邪予防

特集08:冬の到来で風邪の季節になりました。風邪の初期症状は、くしゃみ、鼻汁、寒気、発熱、頭痛などですが、何かおかしいな?と思ったらすぐに病院に行くようにしましょう。
風邪の原因

風邪の原因の殆どは、ウイルスの感染によっておこります。ウイルスが体内に入り込んだ時疲労、睡眠不足、栄養不足、寒さなどで体力が落ちたり、体調を崩したりすると免疫力が弱まりウイルスを排除する力が無くなります。
風邪が長引く人や、風邪を引きやすい人は身体全体的に免疫力が落ちてきていることが多いです。
食事や生活習慣を見直し、風邪をひきにくい身体にしましょう。

風邪を予防するには
風邪のウイルスは温度・湿度が低いと長い時間生存します。気温が低下し乾燥する寒い季節に風邪をひきやすいのはこのためです。ウイルスの侵入や感染から身を守りましょう。

ウイルスの体内への侵入を防ぎましょう。

部屋は適度な湿度を保ち、ウイルス感染のしにくい環境をつくりましょう。

睡眠を十分にとりましょう。

規則正しい生活を心がけましょう。
バランスの良い食事を心がけましょう。
風邪予防に役立つ食品
●ビタミンA
粘膜を強くし、免疫機能を維持する。
レバー・うなぎ・ぎんだら・あなご

●βーカロテン
緑黄色野菜 モロヘイヤ・かぼちゃ・にんじん・春菊・ほうれん草・小松菜・チンゲン菜

●ビタミンC
免疫力を高め、細胞の修復や再生の働きをする。いちご・柿・キウイ・オレンジ・みかん・赤ピーマン・ブロッコリー・かぼちゃ・さつま芋

●亜鉛
免疫機能を高め、細胞の新生を促す働きがある。カキ・牛肉や豚肉の赤身・うなぎ・レバー・帆立貝・空豆・カシューナッツ

●アリシン(においの成分)
殺菌作用により、風邪の予防と改善に効果がある。にんにく・玉ねぎ・にら・長ねぎ

風邪をひいてしまったら
風邪にかかって発熱し、体温があがるとエネルギーの消費も多くなります。その一歩で食欲不振が起きて、食べる量が減ると体内ではエネルギー不足となり、体力が低下してしまいます。軽い症状の時から、積極的に栄養を補給して、体力の消耗を防ぎ早く治してください。
糖質をしっかりとりましょう。
ごはん・パン・うどん・果物など

たんぱく質をしっかりとりましょう。
肉類・魚類・大豆製品・卵・牛乳・乳製品

水分を十分にとりましょう。
お茶・スープ・牛乳・ジュース・スポーツドリンク

消化の良い物を食べましょう。
牛乳・乳製品・白身魚・豆腐・穀類・芋類

身体を温めるものを食べましょう。
鍋物・鍋焼きうどん・スープ・あんかけ・温かい飲み物・香辛料
皆さん、今年の冬は風邪をひかないように、正しい生活習慣・食習慣を心がけ、健康でおくれますように!

第9回 ダイエットって?

特集09:皆さん初詣に行かれ何をお願いされたのでしょうか?健康のことや仕事のこと、素敵な人と出会えるように、そして今年こそはダイエットが成功するようにお願いした人も結構いらっしゃるのではないでしょうか。今回はその「ダイエット」についてお話します。

「ダイエット」とタイトルがつきますと、テレビの視聴率は上がりますし、雑誌は売れ行き好調です。テレビもマスコミも「1ヶ月で5キロ減量!」「1日1食で10キロ減量成功!」などなど…数知れないほどのダイエット法が世間を賑わせています。あなたは、いくつのダイエット法を実践してみましたか?
食事法、運動法など、きっとさまざまなやり方を試したことでしょう。でも結果的にそれはうまくいきましたか?一時的な体重の減少に喜び、それだけで終わっていませんか?そして、今のあなたは減量に成功した時と同じ自分でしょうか。減量に成功してもそれを維持できる身体になっていなくては、本当に意味のあるダイエットに成功したとは言えませんね。ここでぜひ正しいダイエットについての知識を身につけ、健康な身体を維持してくださいね!


ダイエットとは
正しい方法で食事をコントロールして、肥満やさまざまな病気の予防や改善をはかって、自分の適性体重を目指すことです。

つまり、痩せていたり、適正体重の人がダイエットする必要はないのです。
特に若い女性の間で、短期間で大幅な減量をすることが流行っていますね。最近では納豆が一時大ブームになり、それがダメになると今度はバナナダイエット…困ったものです。
これらの極端なダイエットは、管理栄養士の立場からコメントしますと、科学的根拠が極めて乏しいだけでなく健康面で大変危険なものが多くあります。「○○○だけ」を食べるという方法は、まず身体に必要な栄養のバランスを乱してしまいます。それと同時に、同じものばかりを長期的に食べるので、飽きがきて長続きしないばかりか、それでも食べ続けると身体には強烈なストレスとなり、いずれストレスは爆発してやけ食いとなり、結果的にリバウンドで元の体重に戻ったり、ダイエット前より太ってしまうことになります。

更に怖いのは、ダイエット方法を聞きかじって自己流ダイエットをしてしまうこと。全くの思い違いもあり、貧血、生理不順、栄養失調、骨粗鬆症など体調を崩すケースが多く報告されています。

ダイエットについて思い違いをしていませんか?

いいえ、特別なことをするのではないのですよ!
肥満の人は常に太るような生活をしていることが多いです。
不規則な生活をしていたり、夜遅い食事をいっぱい食べたり、朝食を抜いたり…これらの生活習慣の結果太ってしまったわけですから、今までの生活の中で、何が原因で太ってしまったかを見つけてそれらの習慣を改善して行けばいいのです。

いいえ、太ると言うことは必要以上に食べているからです。私達の身体は消費するカロリーよりも摂取するカロリーが多いと太るのです。皆さんは必要以上に仕事や勉強、運動、家事などをしていますか?それほど必要以上にしていないと思います。だったら必要以上に食べることはないですね。

いいえ、ダイエット中だけ頑張って減量できたとしても、ダイエットを止めたら元の体重に戻ってしまいます。
ですから、無理なダイエットや習慣化できないダイエットはしない方がいいですね。

今の自分を知りましょう!
「標準体重」とは…

その人の基準となる体重で、この値から何%以上体重が多いと肥満とか、少ないと痩せているとかと言う判断に使われている体重で、最近の殆どはBMI(ボディ・マス・インデックス)を用いた計算方法が使われています。

「BMI」とは、「体格指数」と訳され、統計学的にその体重の人の疾病率が最も低い値が男性で22.2、女性で21.9であったことから男女共「22」が標準値となりました。
また、体脂肪率との相関もよく、肥満判定の手段として用いられています。
25以上でも18.5以下でも健康的ではないと言うことです。

BMIによる肥満判定
判定 やせ 標準範囲 肥満
BMI値 18.5未満 18.5~25未満 25以上

あなたの標準体重を計算してみましょう。計算方法は…

標準体重=身長(m)×身長(m)×22

例)身長165cmの人の標準体重は
   1.65(m) × 1.65(m) × 22 = 59.8
   59.8kgが標準体重です。

ぜひあなたも計算してみてください。
標準体重に近ければ、特にダイエットをする必要はないです。

次に「肥満度」の計算をしてみましょう。計算方法は…

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

例)身長165cm、体重66kgの女性のBMI
   66(kg) ÷ 1.65(m) ÷ 1.65(m) = 24

基準値は「22」です。「標準範囲」は18.5~25未満ですから、この女性は「24」ですので、標準範囲と言うことです。しかし、標準範囲ぎりぎりですので標準体重の59.8kgに近づけるように、生活習慣を見直すことが必要です。


皆さん、ぜひご自分の適性体重を知ってください。そしてダイエットする必要があるのか、また、健康を維持していくには、どのような生活習慣・食習慣を心がけていけばよいのかを理解され、正しい習慣が、あなたの日常の生活習慣となりますよう、次回は改善方法をお話しましょう。

第10回 ダイエットって? 2

特集10:肥満の方、肥満気味の方で現在特に身体に異常がなくても肥満が原因となる心臓病や動脈硬化、高血圧、糖尿病、高脂血症などの病気が水面下で今か今かと顔を出すのを待ちかねています。今健康な方でも不規則な生活を続けることで、3年後あるいは5年後に異常が出てくる可能性大です。

適正体重とは…
「適正体重」とは、身体が最も動きやすく、心身共に快調で快活に日常生活をおくることができ、これからもずっと健康で長寿を全うするうえでベストな体重をいいます。快適な生活をおくるためには、それなりの正しい生活習慣を身につけていなければなりません。

太らない生活とは? 健康を維持するための生活を身につけましょう。
腹八分で、バランスのとれた食事を心がけましょう。
  • 満腹になるまで食べるのではなく、もう一口食べたい…と思う時にごちそうさまをしましょう。
  • 1日3食をきちんと食べましょう。食事はたんぱく質・炭水化物・脂質の栄養素を過不足なく摂り、ビタミン類やミネラルも充分に摂りましょう。
活動的な生活を心がけ、一日一万歩を目標にしましょう。
  • 毎日の生活の中で、こまめに動く、階段を利用する、早歩きをするなど身体を動かすことを心がけましょう。そして1日の生活の中で運動する時間を設け、運動を習慣づけましょう。
ストレスをためないようにしましょう。
  • ストレスがたまるとつい食べることで解消してしまう…
    人間にとって「食べる」と言う行為は栄養供給だけでなく、不安や欲求不満をやわらげる作用もあるので、仕事上のトラブルや失恋などに出会ったとき、また何か思うように行かなかったときなど、ついヤケ食い、ヤケ酒をしたり、ケーキなどいっぱい食べてみたり…。そして「あーさっぱりした」なんて経験は誰にでもあると思いますが、「食べる」ことでストレスを解消するのは間違いです。
    「食べる」ことではなく、音楽を聴いてみたり、ハーブで心を癒したり、旅行で気分転換するなどのリラックス方法を身につけるとよいでしょう。栄養バランスの良い食事や、定期的な運動はストレスを減らすということも覚えておいてくださいね。
記録することを習慣づけましょう。
  • 体重計に乗ってみたら あれっ?その数値にびっくり。そのようなことにならないように、毎日一定の時間に体重測定をし、記録することをこころがけ常に体重や体脂肪などを意識しましょう。
太らない食習慣を身につけましょう
朝昼食をしっかり、夕食は軽く。
  • 夕食はついつい食べ過ぎてしまいがちです。夕食の食べ過ぎが朝食の食欲不振にもつながります。朝食は1日の活動源です。朝食・昼食をきちんと食べることを心がけましょう。
良く噛んで、ゆっくり食べましょう。
  • よく噛まないでどんどん食べてしまう「早食い」は満腹中枢が働く頃には、必要以上に食べ過ぎてしまっています。食事は20~30分かけてよくかんで、ゆっくり食べることが大切です。料理をよく味わって食べる、一口食べるごとに箸を置く、口に入れる量を少なくするなど、ゆっくり食べる工夫をしましょう。ゆっくり食べていれば、食事の量が少なくても、充分満足感が得られます。
量よりも品数を多くとりましょう。
  • ラーメンやうどん、スパゲティなどの単品料理は栄養が偏ってしまいます。
    ラーメンなら、具だくさんの野菜ラーメンや五目そばなどを、うどんなら鍋焼きうどんのように色々な食材が入っているものを、スパゲティなら野菜サラダを添えるなどするとよいでしょう。
    理想的なのは、定食ですね、主菜と副菜が揃っているのでバランスがいいです。
薄味に慣れましょう。
  • 濃い味付けのおかずは、ついついご飯やお酒などが進んでしまいがちですね。そしてそれは高血圧や心臓病などの原因にもなります。
  • 塩・味噌・しょう油・砂糖などの調味料はできるだけ控え目にした薄味の料理を心がけましょう。
  • 漬物や佃煮は少量で、煮物やお浸しは、だしを活用して食材そのものの旨みをひきだすことでおいしくいただけます。
  • 酢のものは、塩分をおさえるのも簡単で疲労回復にも効果がありますよ。
  • 生野菜は、酢しょう油やポン酢で。
  • その他、炒め物や煮込み料理などは、生姜・にんにく・唐辛子・こしょうなどの香辛料やレモン・柚子・ハーブなどを利用することで、味が引き締まり塩が少なくてもおいしくできあがります。
「ながら食い」はやめましょう。
  • テレビや新聞、雑誌を見ながらの「ながら食い」は、無意識のうちに過食になってしまいます。食べる量だけを盛り付けて食べましょう。また食事が終わっても残ったものをテーブルに置いておくと、つい手が伸びてしまいがち。食べすぎの原因にもなりますので、すぐ片付ける習慣をつけましょう。

間食・お酒は控えめに、上手につきあいましょう。
  • ティータイムにコーヒーにケーキ。日本茶に和菓子。一息入れてほっとし、心がゆったりします。
    これを無理に抑えつけたらストレスがたまりますね~。日本茶やコーヒーや紅茶(砂糖抜き)はカロリーがありませんので、いくら飲まれてもかまいませんが、ケーキや和菓子は意外とカロリーがあります。たまに食べるのはよろしいですが毎日食べることはやめましょう。
  • アルコールは1杯のつもりが2杯に…ついつい飲み過ぎてしまいますね。アルコールは意外と高カロリーです。缶ビール350ml1缶で5g入りのスティックシュガー約7本分に相当します。
    それにまして、アルコールには食欲を増進する働きがあるので、つい食べ過ぎてしまうのがネック。
    肴はお浸しや酢の物・豆腐類・野菜煮物がお勧めです。晩酌は量を決めて飲み過ぎないようにしましょう。そして肝臓のためにも1週間に1~2日は”休肝日”を作りましょう。
規則正しい生活を心がけましょう。
  • 毎日の生活の中で、朝・昼夕食をきちんと食べること、夜遅い食事は軽めにすること、バランスの良い食事をこころがけること、ストレスを食べることで紛らわさないこと、休養を充分にとること、適度な運動を習慣つけることなど…これらが当たり前の習慣となるように。

    「生活習慣病」とは、その名のとおり毎日の生活の送り方に問題があり、その結果病気を引き起こしてしまうことです。今からでも遅くないですから、ご自分の生活を振り返ってみてください。
    そして改善すべきことは、徐々にひとつづつ改善していってください。健康な生活習慣があなたのものになりますように。

次回は「体重1kg減らすには…」をお話しましょう。

ページトップへ