2015年 季節の食を知る 管理栄養士コラム

季節の食を知る:管理栄養士の後藤恭子さんからの季節コラムです。毎月、旬の食材や行事食・トピックスなどをお届けします!

春:健康三彩

皆さんは健康三彩を食べたことがありますか?今回は健康三彩についてお話しします。
そもそも、健康三彩を開発するにあたりまして、皆さんに健康的なお食事を提供したいということが始まりです。そして商品名の「健康三彩」の3という数字と赤・黄・緑の由来ですが、3という数字は、和食の基本である主菜1つと副菜が2つ揃えているということです。そして赤は、主に主菜でたんぱく質源の肉類・魚類がメインです。黄色は主に炭水化物を多く含む芋類や小麦製品。緑は野菜・きのこ・海藻類などです。
この1食で、約1日の1/3の栄養素が摂取できるように考えました。これらを揃えることで、栄養バランスの良い食事になります。そして彩りにもこだわりました。皆さんもご存じの事と思いますが、食事は目で食べるというくらいに、美味しそうな彩りが食欲をそそります。それと共に食事が華やかになりますね!
メニューも同じものは殆どなくバラエティに富んでいるのも特徴の一つです。栄養表示も、カロリー、塩分相当量の他、たんぱく質・炭水化物・脂質も表示されていて自分が何をどのくらい食べているのかがはっきりわかるというのは素晴らしいことです。
また、冷凍食品ですので解凍方法もレンジでも湯煎でもでき、レンジの場合はW数に応じて解凍時間も表示されています。
健康三彩HPでは、「お勧め健康三彩」でご飯の必要量や「お勧めの一品」としてメニューにあった一品が掲載されていますので、ぜひご覧なってください。
病気になるのも「食」、病気を治すのも「食」と言われています。
ぜひ、バランスの良い食事を心がけ、健康で元気で幸せな毎日をおくってくださいね!


2008年 季節の食を知る 管理栄養士コラム

季節の食を知る:管理栄養士の後藤恭子さんからの季節コラムです。毎月、旬の食材や行事食・トピックスなどをお届けします!

12月:旬の食材

みなさんこんにちは!月日の経つのは早いもので、ついこの間新しい年が始まったと思ったらもう12月。こんなに一年が早く感じるのは、歳のせいでしょうか!?
12月は「師走」と言われるように、何となく慌ただしく、街中にジングルベルが鳴り響くせいでしょうか気ぜわしくなりますね~
この時期の「旬」の食材は…
最近は農業技術や流通が進歩し、輸入物の食材をはじめ、種々の食材が季節を問わず1年中出回っていますね。その結果食べ物の「旬」が無くなってしまったと言うことをよく耳にしますが、「旬」とは一体どのような時期をさしているのでしょうか?ものの本によると魚介類、野菜類、果実類などの最も美味で栄養価の高い時期を指して言う言葉で、一般に野菜、果実類は量的にも多く出回る最盛期を、魚介類の場合は産卵期を迎えて脂の乗った時期を言うそうです。つまり、食物自身が持つエネルギーが最大限に至っている時である訳ですから、味も、栄養も保障つきです。地産地消と言われるようにその土地でその時期に収穫された物を食べるのが一番です。
日頃何気なく口にしている食べ物ですが、こんなときこそちょっと食べ物に感謝し、その恩恵を丸ごといいただいてみてはいかがでしょうか。この時期の旬の食材は、大根・白菜・かぶ・ふぐ・わかさぎ・かき・ほっけ・りんご・みかん…などなど。四季がもたらしてくれる恵みをたくさん食べて健康を維持してくださいね!
今年も残すところあと1ヶ月。今年はどのような年でしたか?31日には今年もつつがなく終われることを家族で感謝しあい、年越しそばを食べながらゆっくり語りあってみるのもよろしいのではないでしょうか。


11月:鯖

みなさんこんにちは!
8日は「立冬」歴の上では冬に入る最初の日のことです。実際には秋の気配が残っていますが、朝夕は冷え込んできて、冬が間近に感じる季節になります。
この時期は、味の濃くなった秋野菜や脂がのった魚などが豊富に出回ります。中国野菜が問題になっている昨今、自然の恵みに感謝し地産地消について考えるよい機会でしょう。
今月のテーマは「鯖」です。
一般に鯖と呼ばれているのは、マサバとゴマサバ(腹側に黒っぽいごまのような斑点がある)の2種類で、日本近海で多く捕れます。近年は輸入物のタイセイヨウサバも多くみるようになりました。マサバは秋から冬にかけて脂がのり、グルタミン酸やイノシン酸などのうま味成分が増え、秋の味覚の代表格です!その上栄養的にとても優れもの!鯖の脂に含まれているEPAやDHAは血液をサラサラにして動脈硬化や心筋梗塞を防いだり、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあります。
鯖は鮮度の低下が早いです。「鯖の生き腐れ」と言われるように傷みの早い魚です。選ぶ時は、大きめで身がかたく青光りしているもの。腹の部分に金色の筋状の模様が浮き出ているものを選びましょう。
調理法としては、定番の味噌煮。酢をふっていったんしめてから煮ると臭みが消え、さっぱりと食べられます。塩焼きにするときは、焼く1時間前に振り塩をしておくと余分な水分が抜けておいしいです。
余分に買った時、生のまま冷凍すると、解凍したときに出る汁にうま味が抜けてしまうので味噌煮にして冷凍しましょう。煮汁にうま味が閉じ込められ、おいしさをそのまま保存できます。
旬の美味しい時期には積極的に食べたい魚です。ぜひ食卓に並べてください!


10月:鮭

みなさんこんにちは!
秋です!鮭です!生まれは北の川、育ちは北の海、長い旅先の途中に皆さんのお手元でお目にする、”秋味”とも呼ばれ、「秋の味覚の王」と称される”秋鮭”
一般的に鮭と呼ばれているのは、「シロザケ」か「ギンザケ」で市場に多く登場しているのは「シロザケ」です。種類によって、色の濃度は異なりますが、最も赤いのが「紅鮭」です。養殖も盛んになった昨今ですが、産卵のために群れをなして遡上する姿は、初夏の”かつお”に劣らない秋の風物詩とか…
鮭の外観上の特色は、あの美しい赤色!鮭の赤色は鮪や鰹の赤身魚と違って、加熱しても褐色とならないこと。赤色がそのまま保たれるのは、アスタキサンチンいう赤色のカロテノイド色素を含んでいるためです。
その上、栄養的にも優れもので、血液中のカルシウム濃度を保つ、骨や歯を健康にする働きのあるビタミンDを多く含み、カルシウムを多く含む食品と一緒に摂りますとカルシウムの吸収がグンとアップします。
おまけに脳の細胞を活性化する働きを持つDHAを含んでいますので、受験生から高齢者の方々まで幅広く食べていただきたい食品です。
焼いてよし、刺身、マリネ、ステーキ、フライ、お茶漬け、混ぜごはん、おにぎり、包み焼き…これから寒くなる時期、そして冷え性の方には石狩鍋、三平汁、ミルクシチューなどお勧めです!
鮭が丸ごと1尾手に入りましたら、粕着けや味噌漬けにしておくと日持ちがしますよ。


9月:南瓜

みなさんこんにちは!
その昔、馬車に化けてシンデレラ嬢を乗せたこともある”くりかぼちゃ”
姿や形を変えるなど自由自在…煮付けに、てんぷらに、サラダに、ソテーに、スープに、ピューレに、ジャムに、パイに、プリンになどなど…
お菓子にしたら、マロンもびっくりする程なめらかな”パンプキン”になります!
近頃はメキシコやアメリカ、ニュージーランド、はるか遠くトンガなどから仲間が船に乗って沢山日本に来ますが、9月は北海道生まれの”くりかぼちゃ”が一番出回って
います。
かぼちゃには、凹凸が多く、西洋かぼちゃ程の甘味が無く水分が多い”日本かぼちゃ” 表面に溝がなく、甘味が強くほくほくとしたくりのような味わいのある”西洋かぼちゃ”通称”くりかぼちゃ”完熟した果実を輪切りに茹でた後、果肉を引き出すとそうめん状につながって出てくる”そうめんかぼちゃ”の3種類があります。
老化予防・免疫機能強化や粘膜を丈夫にする働きがあるので風邪などの感染症に対する抵抗力をつけます。
「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」といわれる由縁です。
選び方として、手にとってずっしりと重く、緑色の濃いものを選びましょう。
カットされたものなら果肉が濃い黄色で肉厚、切り口が鮮やかで種子がつまっているものを選びましょう。


8月:枝豆

みなさんこんにちは!
夏真っ盛り!ビールが美味しい季節ですね。
仕事帰りに、お風呂上りにキューッとまずは1杯!
五臓六腑(肺臓・心臓・脾臓・肝臓・腎臓・大腸・小腸・胆・胃・三焦・膀胱)にしみわたり疲れもどこえやら~たまらないですね!1杯目はいいとしても2杯目は要チェックです。おしゃべりをしながらゆっくり飲みましょう。
おつまみの定番といえば”枝豆”~なぜ?枝豆にはアルコールの分解を助け、肝臓の負担を軽くする働きのあるビタミンB1やメチオニンを多くふくんでいるので理にかなったおつまみということです。
因みに枝豆は大豆の未熟豆です。大豆は豆類ですが、枝豆は野菜類なので豆と野菜の両方の栄養的特徴を持っています。
☆お酒の正しい飲み方
 楽しい雰囲気で飲みましょう。
 飲みすぎないようにしましょう。
 時間をかけてゆっくり、食べながら飲みましょう。
 お酒の無理強いはやめましょう。
 週に2日程度の休肝日を設けましょう。


7月:うなぎ

みなさんこんにちは!
土用の丑の日、うなぎを食べよう!
暑さも本番!夏真っ盛りの今日この頃、商店街を歩きますと「うなぎ」と染め抜いたひらめく幟のもと、香ばしい匂いが漂ってきます。暑くて食欲がなくても「うなぎ」だけは別!とおっしゃる方も多いのでは?
なぜ、この時期うなぎなのかと言いますと、立秋の前18日間を土用と呼び、その間の丑の日をさし夏のもっとも暑い時期で、脂肪分とビタミンAを多く含み、夏ばての防止に効果のある「うなぎ」を食べる習慣がついたようです。

うなぎの調理法と言えばそのほとんどが蒲焼きで、日本人の嗜好にはこれにまさる調理形式は無いとまで言われています。
蒲焼きは、照焼きの一種で、開いたうなぎに濃い調味料をからませて焼き上げた日本独特の調理法です。濃厚な味がうなぎの味と調和し、これが加熱されて独特の風味を作り上げています。


6月:じゃが芋

皆さんこんにちは!
初夏の頃のお楽しみのひとつ、じゃが芋堀りをされたことはありますか?
雨上がりの畑は土が軟らかくなっていて、手で掘り返すたびにプーンと土の香りが漂い、何度が掘り出す内に出てきますよ!大小様々ゴロゴロ、コロコロの新じゃがたちが…
じゃが芋を手にした瞬間食いしん坊としては、蒸しバター?マッシュポテト?ポテトサラダ?グラタン?はたまた肉じゃが?と頭の中はポテトでいっぱい!
保存の際は、低温に弱いので常温で冷暗所に保管して置きましょう。たくさん手に入った時は段ボール箱にりんごを1~2個一緒に入れておくとりんごから出る物質(エチレン)の作用でじゃが芋の発芽を防止することができます。
じゃが芋の芽にはソラニンという毒素が含まれていますから、芽が出てしまったら丁寧にえぐり取ってくださいね。
じゃが芋の主成分はでんぷんですが、ビタミンCやカリウムを多く含み、ヨーロッパでは「大地のりんご」とも呼ばれ健康野菜の代表格です。じゃが芋に含まれるビタミンCは加熱しても壊れにくいのでビタミンCの補給にもってこいです。


5月:新茶

皆さん、お元気ですか?
”夏も近づく八十八夜トントン♪”茶摘み歌に歌われているように、2日は八十八夜。立春後八十八日のころを言い、暦の上では春もそろそろおしまいで、新茶の出回る季節と共に初夏がやってきますね。新茶や玉露などの良い香りのお茶は美味しいうちにいただきましょう。
お茶の葉の利用法をひとつお教えしましょう。
飲み終えたお茶の葉を捨てないでタッパー等に入れ冷蔵庫に入れて貯めておきましょう。鍋に濃い目の出し汁少々と適量のしょう油、鰹節、みりんを加えてお茶の葉を煮詰めます。茶葉の栄養成分も摂取でき、ほろ苦いおいしい佃煮ができます。是非ためしてみてください。
「健康三彩」は、美味しさのこだわりはもちろん、多種の食材、様々な調理法、栄養素を考慮したメニューで、バラエティーに富んでいます。これこそが健康の秘訣ではないでしょうか。私達の合言葉は「自分の健康は自分で守る」ですね。


4月:筍

竹かんむりに旬とかいて「筍」。まさしく今が旬の食べ物です。

「今日は筍ごはん?!」幼い頃の春の行事でした。
ずっしりと重い筍の皮を1枚1枚むくごとに、もしも、もしかしてかぐや姫がでてきちゃったらどうしよう~と胸をドキドキ高鳴らせたものです。お手伝いの終わりに「はい、ご苦労さん」と祖母が梅干しを筍の皮で包んだ小さな三角の包みを手に握らせてくれました。三角の角から梅の味をすするうちに皮は美しい紅色になりました。昔のおやつはこんなものだったそうです。

筍は頭の先から根の近くまでさまざまな味を楽しむことができます。 またカリウムや食物繊維も多く含まれ、高血圧や便秘の予防などにも有効です。ぜひお子様がいらしたらやってみてください。楽しいひとときが過ごせるでしょう。


2009年 季節の食を知る 管理栄養士コラム

季節の食を知る:管理栄養士の後藤恭子さんからの季節コラムです。毎月、旬の食材や行事食・トピックスなどをお届けします!

12月:白菜

みなさんこんにちは!1年の締めくくりの月になりましたね!
22日は「冬至」、二十四節気の一つ、北半球では正午の太陽が最も南に傾くので日照時間が最短となり、夜が最長の日です。この日から「畳の目だけ日が伸びる」と言われています。この日に食べる冬至南瓜。これはかぼちゃに多く含まれるカロテンが、皮膚や粘膜を保護する作用があり、風邪などの感染予防に効果があるためと言われています。
また、柚子湯に入って芯から温まり、寒気をはねのけるという習慣もあります。
年の瀬の忙しさや、寒さが気になる時期は、温かいお料理が何よりのごちそうですね!バランスのよい鍋物やおでん、けんちん汁などで、体の中から温めたいものです。 今回は鍋物の食材に欠かせない「白菜」について
どっしりとした形、黄緑色と白色の淡い葉と茎が何となく体を温めてくれるような気がしませんか?葉の肉質は軟らかく、水分が多く歯ざわりが良くて淡白な味です。

~調理のポイント~
白菜に含まれるビタミンやカリウムは水溶性ですから、スープや煮汁ごといただく鍋ものなどは理想的な料理法です。また、外葉の肉厚の部分は浅漬けや甘酢漬けに、芯に近い部分は炒め物に、柔らかい葉や茎は生でサラダやナムルにするなど、それぞれにあった調理法を選ぶのが美味しく食べるコツです。葉の大きさも外側と芯に近い方ではずいぶんと違いますので、大きい葉はその大きさを利用して巻き物の料理に使い、だんだん小さくなってきたら丸のまま煮込むなど、バリエーションが楽しめます。
~保存するときは~
選ぶ時は、根本の切り口が新しく、みずみずしいものを選びましょう。小ぶりでも固く巻いて重量感のあるものがお勧めです。丸ごと購入したら外葉は捨てないで残った白菜に巻きつけるようにかぶせて、新聞紙で包んで立てて保存をし、乾燥を防ぎましょう。


11月:里芋

みなさんこんにちは!
秋も深まり、7日は「立冬」。冬の気配が現れてくる頃ですね。歴の上ではこの日から冬に入ります。まだ秋の続きのようでもありますが、冬の季節風が吹き始めたり、日暮れが早く手足の冷えを意識するのもこの頃ですね。
この時期のスーパーや八百屋さんには、泥のついたコロコロ、ゴロゴロとした「里芋」が並べられていますね!里芋は、里で摂れるので「里の芋」と名がついたとか~。里芋類には、食べる部分が、子芋、親芋、親芋と子芋両方のものがあります。あの里芋独特のヌルヌルの粘性の成分は、ガラクタンやムチンなどで、炭水化物とタンパク質の結合したものだと言われています。ムチンは、胃の粘膜をうるおし、保護する働きがあります。内臓の機能を高める作用や消化を促す作用、便通の改善にも効果があるといわれています。また、たんぱく質を無駄なく活用させる働きはスタミナの増強に効果があります。

~調理のポイント~
里芋の皮をむくとき手がかゆくなりますが、これは手に塩か重層をつけてむくと防ぐことができます。また、皮つきを洗ってから乾かしてからむくと手はかゆくなりません。白煮にする時は皮をむいてから塩もみをして茹でこぼし、ぬめりをよくとってから調理しましょう。煮ころがしにする時はぬめりを少し残して調理し、汁物にする時はぬめりをとらないで調理した方が持ち味が活かせます。いずれにしてもぬめりに含まれているムチンの薬効を活かすには、できるだけ落とさないようにしましょう。

~美味しい食べ方~
小芋なら、皮ごと蒸して塩をつけて食べるきぬかつぎが美味しいです。そのほか煮物・含め煮・おでん・味噌田楽・けんちん汁などさまざまな料理にむいています。里芋の栄養価を活かすには、イカやタコ・海老などタウリンを多く含む食品と組み合わせると肝臓の働きを高めます。またカリウムを多く含んでいるので塩分を控えたい時の食材としておすすめです。

~保存するときは~
5度以下の温度だと長持ちしません。冷蔵庫には入れないで泥つきのまま乾燥しないように新聞紙にくるんで室温で保存しましょう。


10月:いわし

みなさんこんにちは!スポーツの秋、芸術の秋、味覚の秋、そして馬肥ゆる秋です!
さんま・さば・いわし・さつま芋・里芋・まつたけ・柿・りんごなどなど~美味しいものがいっぱい!今回は~いわし~のお話しです。
大衆魚No.1の「いわし」は、魚好きの人によりますと、「鯛」よりおいしいと言われるとか…。一般にいわしと言えば、まいわしを指します。その他に、うるめいわし、かたくちいわし、きびなごなどがあります。 加工品として、丸干しはうるめいわし、田作りや煮干し・タタミいわしは小型のかたくちいわし、しらす干しは、かたくちいわしの稚魚などから作られます。調理法も、刺身、つみれ、煮付け、フライ、天ぷら、干物、缶詰など、どんな食べ方をしても美味しいです。栄養的にもEPA・DHAはもちろんのこと、良質のたんぱく質や、骨を丈夫にする栄養素がたっぷり含まれていますので、成長期の子供からお年寄りまで積極的に食べたい魚ですね。

~美味しい食べ方~
煮付けや塩焼きが一般的ですが、新鮮なものは刺身や寿司だねがお勧めです。頭をおとして手開きにして、かば焼き風にしてかば焼き丼も美味。すり身にしてハンバーグやさつま揚げ、フライやマリネもお勧めです。
~調理のポイント~
いわし独特の匂いがどうも…という方も多いのでは。匂いが気になる人は、生姜や梅干しと一緒に煮ると良いでしょう。梅干し煮にすると、梅干しの酸で骨まで柔らかくなり、丸ごと食べられます。梅干しが苦手な人は、酢で下煮してから煮つけると良いでしょう。
EPA・DHAを含む不飽和脂肪酸は、酸化されやすいので抗酸化作用のある緑黄色野菜と組みあわせるのがポイントです。
~選び方~
うろこが沢山ついていて、青く光り、身にはりがあり、目が澄んではっきりしたもの、体がピーンとして、身に比べて頭が小さく腹太りしているものを選びましょう。いわしはいたみやすいので、買ったその日に食べるようにしましょう。煮つけたり、すり身にして火を通しておくと、冷蔵庫で2日程もちます。


9月:茄子

みなさんこんにちは!
デパートやスーパーの食品売り場には、「ポリフェノールがいっぱいよ~」と言いたげな、濃紫色した皮がピカピカの「なす」。1年中出回っていますが、美味しいのは夏から秋にかけての露地ものですね!最近では、形も様々で長なす・丸なす・小丸なす・米なすなどが出回っています。また産地により京都の賀茂なすや、新潟の巾着なすは有名ですね!「なす」の実は約95%が水分で、栄養的には期待できませんが、特徴は皮の紫色です。鮮やかな色は、ナスニンと言う色素によるものです。これはコレステロール値を下げて動脈硬化を予防する働きがあります。それともう一つ紫色の色素であるポリフェノール。活性酸素を除去・高血圧や老化予防・抗ガン作用があります。これらの成分は、皮に多く含まれているので皮ごと召し上がってください。夏野菜は全般に体をを冷やす作用を持っているのですが、中でもなすの効果は強く、暑さ負けしそうなときや、体のほてりやのぼせが強いときに食べると効果があるといわれています。「秋なすは嫁に食わすな」という諺をご存知ですか?秋なすは体を冷やすので、妊娠や流産を避けるために、というお嫁さんへの思いやりで食べさせないという意味のようです。

~調理のポイント~
なすはアクが強く、切り口が空気にふれると変色しやすいので、調理する直前に切り、皮をむいたり切ったりしたら、切り口に軽く塩をふったり、水にさらすようにしましょう。
~美味しい食べ方~
なすは、油と相性が良くてんぷらや炒めものがおすすめです。また夏野菜をたっぷり入れてトマト味で煮込んだラタトイユや夏野菜カレーは夏バテにぴったりの料理ですね。これらの調理をする時もあらかじめ油で炒めておくと良いです。しぎ焼き・田楽・マリネ・煮物・麻婆茄子などもおいしいです。ところで、なすの漬物に「くぎ」を入れるのは?なすの色は、ナスニンという色素で、アルミニウムや鉄のイオンと結びつくときれいな紫色になるからです。
~選び方~
選ぶ時は、へたの上の切り口がみずみずしく、へたにとげがあり、皮はつやがあって身にははりがあるものを選びましょう。保存するときは、乾燥しないようにビニール袋に入れて10度前後の涼しいところに置きましょう。


8月:香味野菜

みなさんこんにちは!
夏本番!お元気ですか?8月の暑さは一段と厳しくなりますね。夏は気温や湿度が高いので、身体は体温を下げるために発汗し代謝を活発にする一方で、消化液の分泌が減少して、胃の消化力が落ちて身体も疲れやすくなります。食欲のない時にお勧めなのが、今が旬の香味野菜です!

☆みょうが
1年の内で本当にこの時期しかお目にかかれない食材です。豆腐にかけたり、そうめんの薬味にしたり~。みょうがはレッキとした日本原産の野菜で、日本でしか食べられていないとか。シャキシャキとした歯ざわりとさわやかな辛みが食欲増進にもってこいで、夏バテ解消に一役かっています。
☆しそ
さわやかな香りと色で食欲を刺激して、食欲を増進させてくれる夏の食卓の名脇役!薬味として、花・実・葉のいずれも使用でき、特にお刺身には無くてはならない食材です。葉を刻んでサラダに入れたり、千切りにして塩もみした野菜と和えたり、刻んでから水に晒したしそをご飯に混ぜると風味豊かなしそご飯になります。
☆しょうが
独特の辛みと香りが、食欲を増進させ、新陳代謝を活発にする働きがあります。冷奴やお刺身の薬味に、消臭作用が高いので臭いの気になる肉や魚料理にお勧めです。
☆セロリ
女性のためにあるような香りのよい野菜です!独特の香りが食欲増進・イライラ解消に効果があります。この時期フレッシュに塩やマヨネーズでバリバリ召し上がってください。栄養は茎より葉の方にありますので、捨てずに適当な大きさに切り、油でサッと炒めると美味しくいただけます。

ぜひこれらの食品を上手に調理に摂り入れて暑い夏を乗り切ってくださいね!


7月:冬瓜

みなさんこんにちは!
この時期、お店の片隅にドーンと居すわっている、”冬瓜”。「あーあれ何?すいかのおばけ?」なんて言う人もいるかも知れませんね~。なんと大型円筒形で重さは4~8kgあるのですから…
夏なのに冬瓜?冬瓜は夏に収穫されますが、保存性が良く、冬まで持つことがこの名の由来です。皮の表面に白く粉を吹いたようになるのが特徴。かんぴょうの原料となるゆうがおや、奈良漬にするしろうりや、にがうりなども冬瓜の仲間です。
成分中約95%が水分で、低エネルギー野菜ですからダイエットに有効です。
冬瓜や西瓜などのウリ類は優れた利尿効果がありますので、体内から塩分の主成分であるナトリウムを追い出す働きをしてくれますが、夏野菜は、水分を多く含み身体を冷やす働きがあります。つまり、野菜や果物など、旬の時期に食すのがベストと言うことです。

~調理のポイント~
皮をむいて大きめに切り、さっと下茹でしてから調理すると良いでしょう。油通しすると煮崩れしにくくなります。

~美味しい食べ方~
冬瓜は90%以上水分なので、とても淡白な味わいです。この特徴を活かし、薄味の和風だし汁やスープでじっくり煮込んで内部まで味をしみ込ませる食べ方や田楽やふろ吹きのように表面に味噌などの濃い味をからめて、冬瓜の淡白な味を引き立たせる食べ方があります。種々の調理法で旬の冬瓜を味わってください。

~保存するときは~
夏に収穫された物を丸ごと風通しの良い冷暗所で保存すれば冬までもちます。カットしたものは、ラップをぴっちりかけて冷蔵庫に入れておきましょう。食べやすい大きさに切って下茹でをして、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存しておくと味噌汁やスープの具としてすぐに使え便利です。


6月:台所の衛星管理

みなさんこんにちは!
じめじめとうっとうしい梅雨の季節が今年もやってきましたね。
この時期気になることは「食中毒」です。今回は「台所の衛生管理について」です。

~台所全体~
・換気をよくして、ゴミは衛生的に管理しましょう。
~調理する人~
・手はしっかり洗う。爪は短く切り、マニキュアはしない、指輪もはずしましょう。
・手に怪我をしている場合は、使い捨ての手袋をするなどして、傷口が食品にふれないようにしましょう。また調理する人自身が、心身ともに健康であることが大切です。
~まな板~
・肉・魚用と、生で食べる野菜用は分けましょう。同じものを使う場合は、その都度よく洗いましょう。(肉・魚を切った後は、湯でなく水で洗いましょう)
・日光にあてて日光消毒しましょう。または布巾でくるんで塩素消毒しましょう。
~スポンジ・たわし~
・使用後は、洗剤分も微生物のエサになるので、充分にすすいで水気を切っておきましょう。さらに日光乾燥させれば、消毒効果があります。
~布巾~
・湿ったら続けて使わないで、こまめに乾いたものと取り換えましょう。
・時々煮沸したり、塩素で消毒をしましょう。
~冷蔵庫~
・低温ではありますが、微生物は生きているので冷蔵庫を過信しすぎないようにしましょう。
・開け閉めの回数をなるべく少なくし、物を詰め過ぎると冷えむらや余計な電力消費の原因になるので詰め過ぎないようにしましょう。
・買ってきた食品は雑菌がついていることが多いので、拭いてから入れましょう。


5月:アスパラガス

みなさんこんにちは!
涼しい長野や北海道で大地の苗を植え、3年かけてやっと一人前になる「アスパラガス」。収穫のピークは5月です。時には1日に4~5センチも伸びることがあるそうです。
アスパラガスから発見されたアスパラギン酸は、尿の合成を促進する作用があります。アスパラギン酸はこのアンモニアを体外に排除してくれます。そして神経伝達物質の原料にもなります。また疲労回復や滋養強壮に効果があります。
また、アスパラギン酸はアミノ酸の一種なので、旨みをいっぱい含んでいます。旬のこの時期にはぜひ食卓に並べてくださいね。
皆さんご存じのように、アスパラガスにはグリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスの2種類があります。これは栽培法の違いで、栽培の際、土寄せをしないで伸長した若茎を収穫したものがグリーンアスパラガス。加工専用で、栽培時に充分に土寄せして、若茎が地上部に出る前に収穫するのがホワイトアスパラガスです。

~調理のポイント~
グリーンアスパラガスは鮮度が低下しやすく、保存により硬くなり苦味も増すので、新鮮なうちに調理しましょう。茹でる時は、はかまを包丁で削ぎ、たっぷりの湯をわかし、茎の方を先に縦にして入れ、数分間茹でましょう。

~美味しい食べ方~
この時期は、ぜひ一度そのまま焼いて塩かしょう油で食べてみてください。よく噛むと甘く、油分を感じることができるでしょう。てんぷらやフライ、ポタージュ、ソテーも風味が生きて美味しいですね。茹でたものは、辛子和え・わさびしょう油和え・ごまみそ・サラダなどで美味しくいただけます。


4月:春キャベツ

みなさんこんにちは!
ただいま春真っ盛り!デパートの食品売り場や八百屋さん、スーパーの入り口付近にはふっくらした巻きのキャベツが山積みにされています。キャベツは今一年中ありますが、”春キャベツ”は今しかお目にかかれません。
皆さんご存知ですか?キャベツがさまざまな野菜の元になっていますことを。
茎につく芽を丸くしたのが芽キャベツ。茎を丸くしたのがコールラビ。つぼみを食用に改良したのがブロッコリーやカリフラワーです。お正月の飾り花にする葉ぼたんもキャベツの仲間です。
皆さんは薬局などで市販されている胃腸薬で、キャベジンと呼ばれる薬名をご存じと思いますが、それらに効果のあるビタミンUがキャベツから発見されたので、キャベジンと呼ばれているのです。キャベツに含まれるビタミンCもとても豊富です。大きめの葉を1枚食べれば一日の必要量の約70%を摂取することができます。

~調理のポイント~
ビタミンC・Uは水溶性なので、刻んで水にさらすときは、切る前の葉のままさらして成分の損失を極力防ぎましょう。水に浸すことで約40%位損失するといわれています。ビタミンCは熱にも弱いので、生でサラダやジュースが最適です。ポトフやロールキャベツなどの煮込み料理は溶けだした成分も一緒にとれるとともに甘味がいきます。

~ベストな食べ合わせ~
ビタミンCは、たんぱく質を多く含む食品と組み合わせることで、より吸収率を高めることができます。赤身の肉類や魚介類、大豆製品、卵と組み合わせると良いですね。おなじみのロールキャベツは、相棒の具の挽肉がCの吸収をよりアップさせてくれます。


3月:春野菜

みなさんこんにちは!
吹く風が春らしくなりましたね!20日は「春分の日」、お彼岸の中日で昼と夜の長さがほぼ同じになります。「暑さ寒さも彼岸まで」。言葉通りそろそろ春を感じる頃となります。ものの本によりますと、春分の日は生物を讃え自然を 慈しむ日なのだそうです。陽ざしも暖かく春めいた今日この頃、郊外を歩いてみませんか?春先は都会でも思わぬ収穫がありますよ!気をつけて歩いていますと、”こんなところに!?”と思うようなところに「よもぎ」や「つくし」があなたを待っていますよ!もしかしたら「蕗の薹」や「菜の花」もお待ちかねかも…  春野菜を紹介しましょう。

☆蕗の薹
春の訪れを一番にしらせてくれる「蕗の薹」春は苦味のある野菜を食べると良いと言う言い伝えにぴったりの野菜です。香りと苦みが健胃作用と消化を助ける働きをしてくれます。ふき味噌にしたり、天ぷら・お浸しや和え物、鍋料理にもお勧めです。
☆つくし
「つくし誰の子すぎなの子」とわらべ歌に歌われるように子供には親しみやすい「つくし」野原や畑の畔・土手・道端などの日当たりの良い場所に生えています。はかまと胞子穂を取ってから、茹でて酢の物や佃煮、油炒め・卵とじ・和え物・天ぷらなどにお勧めです。
☆菜の花
旬の春にしか出回りませんから、春が来たら一度は必ず手に入れたい野菜です。あぶらなの若葉を、花がつぼみのうちに摘み取ったもので独特のほろ苦さがあります。さっと茹でてお浸しや、辛子和え、煮物・汁物にお勧めです。
☆せり
春の七草の筆頭にでてくる「せり」、小川などの水辺で育つ水ぜり、田の畔で育つ野ぜり、水田で栽培される田ぜりがあります。お浸し、天ぷら、ごま和え、味噌汁などにお勧めです。アクが強いので下茹でし、水によくさらしてから料理しましょう。


2月:大根

みなさんこんにちは!
ちょっと郊外を歩いていますと、この時期の畑には青々とした葉が今か今かと引き抜かれるのを待っているような「大根」の姿を目にしますね。大根抜きにはコツと力がいるようです。しっかりと地面に根を生やした姿には、強い生命力を感じてしまいますね!
大根は消化作用に優れた野菜で、別名「自然の消化剤」とも言われるとか。その理由は根の部分には、でん粉の消化酵素であるジアスターゼをはじめ、各種の消化酵素が含まれ食物の消化を助けるからです。
大根の淡白な味は、調理法によって様々に姿を変える「大根役者!?」でもあります。煮ても炒めても、おろしても和えてもスープにも、もちろん生のままでも。特におでんの大根や、ふろふき大根は最高です!
大根は部位によって味が違います。葉に近い部分は辛味が弱く硬いので、おろしやサラダに。真ん中の部分は、甘みが強いので煮物やおでんに、皮は干し大根や炒めものに。しっぽの部分は、辛味が強く繊維も多いので味噌汁や漬物に。葉は、漬物や炒めもの・混ぜごはんに、丸ごと一本を上手に賢く調理して、力強い大地の恵みを余すことなくいただきましょう。大根おろしをするときは、根に含まれるビタミンCは皮の近くに集中しているので、皮付きでおろしましょう。また時間の経過とともに、ビタミンCは30分の放置で20%損失し、ジアスターゼも消えてしまうので、食べる直前におろしましょう。

選ぶ時は、肌が白くて、きめ細かいもので、全体にはりのあるもの、葉がピンとしているものを。収穫期が遅れたり、収穫後葉付きのまま時間がたったものは、”す”が入っていることが多いようです。また首の黒いものは畑で老化してしまったものに多いので避けた方がよいでしょう。


1月:おせち料理

新しい年が始まりました。1年の計は元旦にありと言われるように皆さんそれぞれ計画を話し合われたことでしょうし、初詣で願い事を願っていらしたことと思います。1月は伝統的な行事がたくさんあります。これらのことはぜひ次世代に受け継ぎたいものです。

☆おせち料理
「おせち」は節会料理の省略された言い方で、その昔、1月1日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日の年5回を祝う風習が中国から伝わり、年中行事化されていました。その日は節句と呼ばれ、身体のためになり、栄養のあるごちそうを食べて元気をつける、その料理が「おせち」だったそうです。
中でも正月という年間最大の節句を祝う料理は一番のごちそうでした。年の初めのおせち料理は、祝い肴(黒豆・数の子・ごまめ)、口取り(伊達巻き・栗きんとん)煮しめ(蓮根・人参・結び昆布・椎茸・八つ頭・牛蒡)、紅白なます、揚げえびなど、見事に食材を活かした料理で目も心も楽しませてくれます。
そしてそれらの料理には、数多くの日本人の知恵が込められています。
たとえば黒豆はまめに達者で暮らせるように。昆布は喜ぶ(よろこんぶ)ことの語呂合わせ、数の子はたくさんの子宝に恵まれるように…
飽食と言われる時代ですが、食べられることへの感謝の気持ちを持つことが大切ですね。

☆七草粥
7日に食べる七草粥は、食べすぎや飲み過ぎで疲れた胃を休めるのにピッタリです!
春の七草、せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろを入れたシンプルなお粥です。
因みに、春の七草は食べたり摘んだりするものですが、秋の七草は眺めて楽しむもので、はぎ・ききょう・くず・なでしこ・おばな・おみなえし・ふじばかまの7種です。


2010年 季節の食を知る 管理栄養士コラム

季節の食を知る:管理栄養士の後藤恭子さんからの季節コラムです。毎月、旬の食材や行事食・トピックスなどをお届けします!

冬:鍋料理

みなさんこんにちは!
寒い冬の到来ですね~異常気象の関係でしょうか…、夏の暑さには皆さんホトホトまいったことと思います。今年の冬は暖冬でしょうか?それとも厳冬?いずれにしても1年で一番寒い季節です。寒さで内臓も冷やさないよう、しっかり体調管理をしましょう。体温が1度下がるだけで免疫力も下がるといわれるほど冷えは健康の大敵です。身体を温める一番の簡単な方法は、フーフー言って温かいものを食べること。家族と一緒に食べれば心もホカホカ!冬の寒さもストレスも身体を冷やす要因になります。冷えとは、血管が収縮して血流が滞り、新鮮な血液が届かない状態。長引けば血管の老化も進み、各細胞に酸素や栄養が行き渡らなくなり、活動が低下してしまいます。温かい料理は、血管を開いて血流を促し、胃腸の消化吸収もよくなり、エネルギー代謝も活発になるため、体温が上がり、酸素や栄養素が身体のすみずみまで行き渡ります。
ホカホカ料理の一番のおすすめは「鍋料理」ですね!
水炊きや豆乳鍋・すき焼き・おでん・しゃぶしゃぶ…またキムチ鍋やジンギスカンなど国際色豊かな鍋料理も豊富です。豚汁やけんちん汁・のっぺい汁・ポトフなども定番ですね。具材は豚肉・牛肉・鶏肉・豆腐等のたんぱく質源。それに冬野菜の白菜や・大根・ほうれん草・葱等さまざまな野菜をいっぱい入れましょう。水溶性ビタミンも汁を飲むことでばっちりです。
そしてそれらの料理の旨みの効果を2倍にも3倍にも引き上げてくれるのが、葱やせり・みつば等の香り成分を含むもの、生姜や唐辛子・わさびなどの辛味を含むもの、ポン酢や柚子など酸味を含むものなどを使用するとより美味しくなります。
ホカホカ料理で身体が温まれば、自律神経もリラックスして交感神経が休むので、心もほっと一息です!


9月:さつま芋

みなさんこんにちは!
今年の夏の暑さは異常でしたね~熱中症で亡くなる方が大変多かったです。まだ残暑が続いていますが、23日は「秋分の日」です。「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように、この時期になりますと少しずつ秋の気配が感じられるようになります。この日は昼と夜の長さが同じになり、徐々に昼が短くなり夜長になります。少し涼しくなりますと気になるのが「お肌」、夏に荒れた肌は秋口に早めに回復させませんとシミやシワの原因に…肌にとって何よりも効果的なのは栄養と睡眠です。特にビタミンCは美肌に効果のあるビタミンです。今回はこれからが美味しい”さつま芋”のお話しです。
ビタミンCといえば皆さんすぐに思い出すのが、いちごや柑橘類。緑黄野菜ですね!しかし、さつま芋には優れもののビタミンCが多く含まれているのを御存じですか?それは、含まれているビタミンCがでんぷんに包まれていますので、加熱による損失が少ないということです。
「石焼きいも~!」ほっこり甘く美味しいですね!なぜあんなに甘いのでしょう?答えは、さつま芋を時間をかけてゆっくり加熱しているからです。さつま芋にはでんぷん消化酵素のアミラーゼが含まれています。この酵素は時間をかけて60度位で加熱すると良く働きさつま芋の甘みを強くします。電子レンジで加熱したり、薄く切って焼いたものは甘味が少なくさっぱりした味になるのはこのためです。芋類の中でのビタミンCの含有量はトップクラスです。ビタミンCは、メラニン色素の沈着を抑える効果がありますので、シミ・ソバカス・美肌に有効です。食物繊維も含まれていますので、便通が気になる方にもおすすめです。そしてカリウムも多く含んでいますので、塩分の摂り過ぎが気になる方にもいいですね。 美肌を保つために、バランスの良い食事、良い眠りと休養をとり、美しい女性を目指してくださいね。


8月:メニュー作り

みなさんこんにちは!
夏、真っ盛り!毎日暑くて食欲もないし…と言ってそーめんやさっぱりとしたものばかり食べたり、麦茶やジュース、アイスクリームなどばかりについ手がのびてしまいがち~
そして暑いからといって一日中冷房の効いた部屋でだらだらと過ごしていませんか?
この時期だからこそ、食べるべきものをきちんと食べなければ暑さに負けてしまいます。暑くて食欲もないときは、メニューを考えるのも大変…と思っている方も多いのでは。今回はメニュー作りのコツをお教えしましょう!

毎食の基本献立は、「主食+主菜+副菜+副々菜」です。
(1) 主食 ごはん、パン、麺類、芋類などの炭水化物を多く含む食品
(2) 主菜(焼き物、煮物、揚げ物など)を決める
  ●1週間分の主菜を決めると、献立もたてやすく、栄養バランスもとれます。
  ●肉、魚、大豆製品、卵をバランスよく使うようにします。
(3) 副菜(和え物、炒め物、煮物、サラダなど)を決める
  ●野菜類、海藻類、きのこ類、芋類、大豆製品、卵、乳製品を使うようにします。
(4) 副々菜(即席漬、酢のもの、汁物など)を決める
  ●野菜類、海藻類、きのこ類を使うようにします。

さまざまな食品を適量に使い、メニューに変化をつけることで栄養のバランスが良い食事になります。
おやつには、とうもろこしや、冷やしたトマトやキュウリの丸かじりもおすすめです。
夏野菜は太陽をいっぱい浴びて素直に育つのでそのままで美味しくいただけます。

ぜひ”メニュー作りのコツ”を覚えて料理を楽しんでください!


7月:しそ

みなさんこんにちは!
7月に入り毎日暑くてじっと座っていても汗がタラタラ…食欲もわかずもう何も食べたく
ないわ~と思ってしまうことがありませんか?
しかしこの暑い中、食べるものも食べずにいると暑さ負けをしてしまいます。そこでお勧めの食材、食欲を増進させてくれる夏の食卓の名脇役”しそ”をご紹介しましょう。しその魅力はなんと言ってもさわやかな香りですね。紫蘇の「蘇」は香りが爽快で食欲を高め、人を蘇らせるということから名づけられたと言われるほどとか。その香りのもとはペリルアルデヒドという成分で、防腐作用があるので鮮度が気になる刺身のつまには、まさに適した食材といえます。
しその種類には、青じそ、赤じその他に葉がちりめん状になったちりめんじそ、片面だけがが青い片面じそがありますが、代表的なものは紫色の赤じそと緑色をした青じそです。
青じそはビタミンやミネラルを豊富に含み、特にカロテンとカルシウムは野菜ではトップ
クラスです。赤じそはカロテンがやや少ないですが他の栄養素はほぼ同じです。
このようにしそは栄養満点ですから、お料理のつきあわせに出された時は、ぜひ残さず食べてくださいね。日本人は特にしその芳香を好み、葉はもちろんのこと発芽したての芽じそも花穂も実も料理に利用しています。葉は大葉になればいつでも収穫出来ますが、花穂の出る直前が最も芳香成分を含んでいますので、香りを楽しむなら、生食が一番です。
食べ方としては、しそ特有の香りをいかして食べるのがコツです。お刺身のつまに、せん切りにして冷やっこの薬味に、葉を刻んでサラダに入れたり、チーズやかまぼこに巻いたり、巻き寿司や手巻き寿司に、刻んでからさっと水に晒してご飯に混ぜたり、片面だけに衣をつけて天ぷらにしたりと調理法はたくさんあります。
又この時期は梅干しを作るのに適しています。梅干しの鮮やかな赤色は食欲をそそりますね!梅干しを作る時は必ず赤じそに食塩を加えてください。食塩が酸化酵素の働きを抑えてシソニンの鮮やかな色を保ってくれます。夏が一番旬の時期です。ぜひ食卓に夏を運んでくださいね!


6月:カルシウム

みなさんこんにちは!
毎年6月4日~10日は「歯の衛生週間」です。「歯」を大切に、虫歯にならないように気をつけましょう。予防のために、1日3回、食後3分以内に、3分間みがく習慣をつけましょう。
今回は、骨や歯の形成にはなくてはならない「カルシウム」について。
成人の体内には体重50kgの人で約1kgのカルシウムがあり、その99%は骨や歯を作っています。残りの1%は血液中や筋肉、神経などにあり、重要な働きをしています。
カルシウムが不足すると、副甲状腺ホルモンやビタミンDが働いて、骨からカルシウムを急いで放出させ、血液中のカルシウム濃度を一定に保ちます。骨は、カルシウムの貯蔵庫で、摂取量が少なければ減り、多ければ蓄積されます。カルシウムの慢性的な不足状態が続きますと、骨のカルシウムが失われ、成長期であれば歯の質が悪くなったり、あごの骨の発育に影響が出ます。私たちの健康維持に重要なカルシウムですが、残念なことに日本人の平均的摂取量は一度もカルシウムの所要量を満たしたことがありません。
カルシウムは、乳製品・魚介類・野菜類・大豆製品・海藻類・種実類など様々な食品に含まれていますが、食品によって吸収率がずいぶんと違います。
牛乳や乳製品が約50%、小魚が約30%、青菜類が約18%です。牛乳の吸収率が高いのは、牛乳にカルシウムの吸収を高めるたんぱく質や乳糖が豊富に含まれているので、効率よく吸収されます。牛乳コップ1杯(200cc)飲むことで、1日の必要量の約1/3の量が摂取されます。毎日コップ1杯の牛乳を飲むことを心がけたいですね。
そしてもう一つ大切なこと、丈夫な骨を作るには適度な運動が必要です。運動をすることで、骨への刺激が加わり、骨の血流が増して骨の形成に良い影響を与えます。食事でもカルシウムの吸収を高めるビタミンDを多く含む食品(干し椎茸や青魚類等)を積極的に食べてください。


5月:山野草

みなさんこんにちは!若葉が目に美しい季節ですね!
野や山にお弁当持ってハイキング~ふと足元に目を止めると、山野草が芽を出していることでしょう。今回は山野草をおいしく食べるコツをお伝えします。
ぜひ旬を味わってください。

☆わらび:容器に並べ重層を振り熱湯をかけ、重石をして5~6時間おいてから流水にさらしてアクを抜きましょう。
☆ふきのとう・よもぎ:さっと茹でて水にさらしましょう。よもぎは冷凍保存ができます。
☆ぜんまい:茹で汁で冷ましましょう。
☆よめな:さっと茹でて、茹で汁を捨て冷ましましょう。
☆さんしょう:葉は使うときに両手でパンッ!と叩くと香りがいっそう強くなります。
☆ふき:鍋に入る長さに切り、板ずりをして熱湯で茹で、水に晒し、水の中でむくと色が変わらないです。
☆せり:塩ひとつまみ入れた熱湯で茹で、よく水にさらしましょう。
☆つくし:はかまを取り、熱湯でさっと茹でて水にさらしましょう。
☆うど:厚めに皮をむいてすぐ酢水につけましょう。風味がなくなるので20分以上はつけないように。
☆たんぽぽ:葉は熱湯で茹でて水にさらしましょう。花は酢少々入れた熱湯で茹でましょう。
☆みつば:茹ですぎ、さらし過ぎは禁物。香りも歯ざわりも無くなります。熱湯に通す程度にしましょう。


4月:お酒

みなさんこんにちは!若葉、桜の花が美しい季節になりました!野や山、公園や街角、御近所の庭先など淡いピンクの可愛い花が、見て見てと言わんばかりに咲いていますね~
桜といえばお花見ですね!この時期になりますと桜の木の下での宴があちこちでみられます。宴に付き物の”お酒”、桜を愛でながら楽しく飲みたいものです。今回は”お酒”の話しを…
☆お酒(アルコール)について知りましょう。
アルコールは、お酒の主成分である他に、殺菌消毒作用や燃料用などにも幅ひろくつかわれています。様々な性質を持っていますが、アルコールだけの唯一の特性は『飲んで酔う』ということです。
☆お酒(アルコール)とは?
適度のお酒は、食欲を増進させたり、消化を促進したり、血液の流れをよくする働きがあります。またストレスや緊張感から解放し、コミュニケーションをスムーズにする効果も知られています。お酒を全く飲まない人より、飲む人の方が長生きするともいわれています。ただし、適量を越えると身体に悪い影響を与えます。特に二日酔いが重なるような飲み方を続けると肝臓を痛め、ついには精神異常をきたすこともあります。またアルコールは1g当たり約7キロカロリーのエネルギーがあるので、飲むほどに酔うほどにカロリーが増え、体重も増えることになります。お酒を飲み、食欲が出て、高カロリーのおつまみを食べて、又飲んで食べて…というパターンはほどほどにしましょう。
☆正しい飲み方
・楽しい雰囲気でのみましょう。
・飲み過ぎないよう、適量を守りましょう。
・時間をかけてゆっくりのみましょう。
・食べながらのみましょう。
・アルコール度の強いお酒は、少量か薄めてのみましょう。
・週に2日程度の休肝日をもうけましょう。
・体調が悪い時は特に気をつけてのみましょう。
・お酒の無理強いは止めましょう。


2月:小豆

みなさんこんにちは!
いよいよ春ですね! 6日は”啓蟄”。啓蟄とは土の中で冬眠していたアリや蛙、虫たちが地中から地上に出てくるということです。春の訪れとともに家にこもりがちだった生活を改め、外のすがすがしい空気を身体いっぱい浴びましょう。
21日はお彼岸の中日です。「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、昼と夜の長さがほぼ同じ位になります。お彼岸に欠かせない”おはぎ”と”ぼたもち”ですが…
共に蒸したもち米とあんこで作るのですが、季節の花になぞらえ、春のお彼岸に食べるのを”牡丹餅”、秋のお彼岸に食べるのを”お萩”と言うそうです。
和菓子に欠かせないあんこは小豆が原料です。
今回は“小豆”のお話しです。小豆には普通小豆と呼ばれる小・中粒品種と、大納言小豆と呼ばれる大粒の種類があります。調理法としては、お赤飯や甘納豆に使われる他、小豆の約80%は和菓子のあん、まんじゅう、おしるこ、ぜんざい、大福、おはぎなどに用いられています。あんの種類として、3種類あります。
○小豆を煮てつぶして、裏ごしして皮を取り除き、砂糖を加えて練った「こしあん」
○こしあんを乾燥させ、粉末状にした「さらしあん」使用するときは水で戻して用いる。
○小豆を煮てつぶし、砕いた豆の皮が混ざっている「つぶしあん」
用途に応じて使い分けるとよいでしょう。

~調理のポイント~
吸水性が高いので水に浸してもどすと皮が裂けてしまいます。そのため、水洗いした後、ひたひたの水加減で煮ましょう。この時鉄鍋などを使うと、小豆に含まれるアントシアンが鉄と結びつき黒く変色してしまうので、鉄製の調理器具は使わないようにします。

~選び方~
紅色が濃く、つやがあるもの。粒がそろい、ふっくらしたものを選びましょう。皮が薄いものが良品です。保存するときは、袋に密封し、缶に入れておきましょう。


2月:大豆

みなさんこんにちは!寒い日が続いていますがお元気ですか!
1月も半ばを過ぎますと、デパートやスーパーでは、豆と赤い鬼のお面がお店の売り場に所狭しと並んでいますね~
2月3日は「節分」です。節分は大寒よりより15日目で立春の前日にあたります。旧歴では立春の日を元旦とする原則がありましたので、新しい春を迎える前の厄払いという意味で、豆まきをして鬼を追い払ったそうです。また、節分の夜は、悪臭によって邪気を払うという意味から、いわしの頭を柊の枝に刺して玄関に揚げておく風習があります。最近ではこのような風習がだんだん見られなくなりさびしいことです。ぜひ次世代にも受け継いでいきたいものですね~
さあ当日は思いっきり「鬼は外、福は内」と声をはりあげてみましょう。そして歳の数だけお豆を食べて厄払いをしましょう!
さて主役の「大豆」ですが、みなさんご存知のように、「畑の肉」とも言われるように、たんぱく質やビタミンB1、鉄、食物繊維など、私たちにとって必要な栄養素をいっぱい含有しています。大豆に含まれている「大豆サポニン」は、過酸化脂質が体内にできるのを抑制したり、肝機能を保護、脂質の代謝を促進するなど様々な働きをします。動物性たんぱく質と共に、植物性たんぱく質として1日に1回は摂取してほしい食品です。
ところで大豆製品・大豆加工品として様々な食品があるのをご存知ですか?
豆腐をはじめとして、生揚げ・油揚げ・がんもどき・高野豆腐・納豆・湯葉・ぶどう豆・きな粉・もやし・豆乳・味噌・おから、などなど。そして夏場のビールのおつまみに欠かせない枝豆は大豆の未熟豆です。これらの食品をぜひとも食事にとりいれて健康管理を心掛けてくださいね。


1月:七草粥

あけましておめでとうございます。
新しい年が始まりました。今年も元気で健康な1年を過ごされることを祈っています。

あけましておめでとうございます。
新しい年が始まりました。今年も元気で健康な1年を過ごされることを祈っています。
七草をおかゆにして7日に食べる七草がゆの習慣は、江戸時代に広まったそうです。七草は早春にいち早く芽吹くことから、邪気を払うと言われ、無病息災を祈って食べていたそうです。また年末、年始の食べ過ぎや飲み過ぎでもうすでに胃がお疲れ気味なんて?そのような方に胃腸にやさしいおかゆを食べましょうともいうもので、あっさりとしあげたおかゆは少し濃い味付けのおせち料理が続いたあとでは、さわやかな味わいがありますね。
今では、七日近くになりますと、七草を集めに野原へとまで行かなくても、デパートやスーパーで売られています。何でも簡単に手に入る時代ですね!
ところで皆さんは七草をスラスラっと言えますか?せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ、これぞ春の七草です。七草の種類は、時代や土地によっては七草がもっと多くなったり、少ない場合もあったそうです。
因みに、春の七草は食を楽しみますが、花を愛でる秋の七草があります。おみなえし・すすき・ききょう・なでしこ・ふじばかま・くず・はぎの七種です。
七草がゆのつくりかたも簡単です。お米1に対して、硬めのおかゆなら5~6、軟らかめのおかゆなら7~8倍の水の量がよいでしょう。炊く30分前にとぎ、塩少々加え、強火の火加減で炊き、沸騰したら弱火でことこと30~40分炊きます。炊きあがったら食べやすい大きさに切った七草を混ぜ合わせれば出来上がりです。
シンプルな手料理は、疲れた胃にも心にも一番の癒しとなることでしょう。


2011年 季節の食を知る 管理栄養士コラム

季節の食を知る:管理栄養士の後藤恭子さんからの季節コラムです。毎月、旬の食材や行事食・トピックスなどをお届けします!

冬:お酒

みなさんこんにちは!今年も早いものでもう最後の月になり、寒さも本格的になります。くれぐれも風邪などひきませんよう注意してくださいね。これからはクリスマス、忘年会、新年会、歓送迎会などなど~飲む機会が目白押しではないでしょうか?飲むほどに、酔うほどに、あれ?体重が~、ベルトが~とならないように今回と次回はお酒のお話しです。
アルコールは、お酒の主成分である他に、殺菌消毒作用、燃料などにも幅広く使われています。様々な性質をもっていますが、アルコールだけの唯一の特性は『飲んで酔う』と言うことです。適度のアルコールは、食欲を増進させたり、消化を促進したり、血液の流れをよくする働きがあります。ただし、適量を超えて飲み続けると身体に悪い影響を与えます。特に二日酔いが重なるような飲み方を続けると肝臓を傷め、ついには精神異常をきたすこともあります。
【適量とは】
健康診断などで「お酒はほどほどに」と注意された経験のある方は多いことでしょう。「ほどほどって?」自分では「ほどほど」の量と思いながら、実際は飲みすぎていることが多いですね~。「適量」とは、「健康日本21」では、純アルコールで1日平均約20gを「節度ある適度な飲酒」としています。
アルコール20gの目安量は、ビール中瓶1本強(540ml)。清酒1合弱(160ml)。ワイングラス2杯弱(220ml)。ウイスキー、ブランデーダブル(60ml)。焼酎(35度)半合弱(70ml)「ほどほどに」に注意して、健康的な飲み方を習慣にしましょう。
【お酒の種類】
○醸造酒…糖質を発酵させて、アルコールを含有する発酵液をそのまま、またはろ過したもの。日本酒、ビール、ワイン、紹興酒など。
○蒸留酒…醸造酒や発酵によってできたアルコール含有物を蒸留して得たアルコールを適度な濃度に調整したもの。ウイスキー、ブランデー、焼酎、ウオッカ、ラムなど。
○混成酒…醸造酒や蒸留酒などに、香辛料、糖類、着色料などを加えたもの。みりん、甘味果実酒、リキュールなど。
醸造酒にはアルコール以外の原料の残りや発酵でできた様々な成分を含んでいるのに対し、蒸留酒はそうした成分を殆ど含んでいないためプリン体が少なく、相対的にカロリーが低めという特徴があります。醸造酒特にビールはプリン体など痛風を持つ人に対しては不都合な物質を含んでいますが、ビタミンやアミノ酸を含んでいるのが特長です。また、混成酒はハーブや薬草の成分あるいは果実成分など様々な植物成分を含むなどの特徴があります。飲む人それぞれの健康状態に応じて、お酒の持つ特徴やリスクを考えて選択するとよいでしょう。


秋:食事のバランス

みなさんこんにちは!残暑厳しい日が続いていますが、お変わりございませんか?
暑さで食欲も無く、ちょうど夏の疲れが出るころですね~しかし歴の上では、8月8日は立秋、23日は処暑(暑さが落ち着くころ)でした。9月に入りますと、8日白露(野の草に霜が宿り始める頃)、23日秋分の日(昼夜の長さが同じ)。10月9日寒露(露が冷気にあたって凍る頃)、24日霜降(霜が降り始める頃)。11月8日立冬(冬の到来)、23日小雪(雪が舞い始める頃)。となっています。
食欲の秋!スポーツの秋!芸術の秋!秋は楽しみがいっぱいですね!
暑さのため、さっぱりしたものや冷たいものばかり食べていたり飲んだり~、冷房の効いた部屋でごろごろしていたり~と不規則な生活をしていませんでしたか?
ここでちょっと今までの生活を見直しましょう。食べるべきものをしっかりと食べ、元気な秋を迎えてくださいね。
しかし…暑さも和らぎ気候も安定して来ますと、なぜか食欲がわいてきますよね~
いよいよ食欲の秋!夏の間あんなに食べられなかったことがまるで嘘のよう…食欲のおもむくままに食べてしまうと、あっ!?スカートが、ベルトがなどと言うことも。どんなに美味しくても考えながら食べることが必要です。バランスよく、あくまで腹八分目、そして適度な運動…と言われますが、ではどんな食品を食べたらいいのでしょう。
ここにひとつの目安があります。「マゴタチワ、ヤサシイ」と言うものです。
マ…豆類、ゴ…ごまや種実類、タ…卵、チ…乳・乳製品、ワ…若布などの海藻類、ヤ…野菜類、サ…魚介類・肉類、シ…椎茸・きのこ類、イ…芋類。
一日にご飯や麺・パン類の穀類とこれらの食品をバランスよく摂るように心がけ、美味しい秋を満喫してください!


夏:食事の重要性

みなさんこんにちは!
この度の東日本大震災におきまして、大きな被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。何もかも全て流され、命からがらで避難されたこと、避難所での生活が寒さと飢えでとても厳しい日々を送られ、特に高齢者や乳幼児は抵抗力や免疫力が衰え、体調を崩す人が多いとのことでした。このことは、寒さやストレス、環境等の影響も多々あると思いますが、食事も大いに関係していると思います。
日本栄養士会の報告によりますと、総摂取量の不足、そして特にたんぱく質・ビタミン類・ミネラルの不足によるものだとの事でした。私たちは眠っている間も呼吸などしてエネルギーを消費しています。自動車を動かすためにガソリンが必要なように、人間も活動するためには食べ物を食べることが必要です。日々生きていくためには、好きなものだけを食べれば良いと言うことではありません。私達の身体は色々な栄養素(炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラル)から成り立っていますので、健康をつくり、保つためには必要な栄養素を十分に摂取することが基本となります。

【炭水化物】糖質は身体の活動源として最も大切な栄養素。穀類や芋類に多く含まれる。
【たんぱく質】臓器や筋肉、血色素、酵素、ホルモンなどの構成成分として、またエネルギー源ともなり身体づくりの全てに不可欠の栄養素。肉・魚介・卵・大豆・乳製品に多く含まれる。
【脂質】細胞膜の主要な構成成分であり、高エネルギー源。油脂類・種実などに多く含まれる。
【ビタミン】糖質や脂質、たんぱく質のように、血や肉になったりエネルギーになる栄養素ではなく、ごく微量で、他の栄養素の働きをスムーズにする潤滑油のような働きをする。野菜・果物・海藻類などに多く含まれる。
【ミネラル】カルシウム・リン・カリウム・ナトリウム・マグネシウム・鉄・亜鉛・ヨウ素・マンガンなど、身体の機能の維持や調節に欠かせない微量栄養素。海藻類・種実・乳製品に多く含まれる。

以上のように、それぞれの食品にはそれぞれの栄養素が含まれているので、いろいろな食品を摂取することが大切です。バランスの良い食事とは、主食・主菜・副菜を基本に多様な食品を組み合わせて腹八分目で食べる事です。そして食事をするということは、ただ単に栄養をとるだけではなく、精神的な満足感を得ることにもつながります。このような時期に今一度、食べられることへの感謝、食べることの重要性を考えてみませんか?


春:かつお

みなさんこんにちは!
いよいよ春ですね~!3月6日は”啓蟄”土の中で冬眠していた蟻や蛙、虫たちが穴を開けて地上に出てくるということ。草木も芽を出し春を告げてくれます。春の訪れとともに家にこもりがちだった生活を改め、外の清々しい空気を身体いっぱい浴びましょう!
今回は”かつお”のお話しをしましょう。
かつおは、寒い冬の間は南の暖かい海に住み、日本近海には春先の黒潮に乗って北上し、秋には三陸沖でUターンします。まさに鮮やかな季節感を届けてくれる魚です。ですから旬は新緑のころの”初がつお”と秋の”戻りがつお”の2回あります。味の良さでは初がつお、栄養面では戻りがつおがよいのですが、香りと鮮度がよい初がつおが、”目に青葉、山ほととぎす、初がつお”と歌にも謳われるように珍重されています。反面初がつおは脂肪が少ないのでさっぱりとした味わい、戻りがつおは脂がのっていて、まぐろにも負けない濃厚な風味があるので、戻りがつおが美味しいという方も多いです。
買う時の選び方として、切り身で買う場合は、血合いの部分がはっきりしているものを。丸ごとなら、えらが赤く表面の縞模様がくっきりしているものが美味しく新鮮です。
美味しい食べ方としては、一般的にお刺身やたたきがありますね。かつおは水分が多く身がやわらかいので、新鮮なものであっても表面をさっとあぶって食べるたたきがお勧めです。これは臭みを消し、鮮度が落ちやすい旨み成分を閉じ込めるすぐれた調理法です。かつおはにんにくとの相性がばっちりですから、にんにくや生姜・みょうが・葱・しそなどの薬味をたっぷりかけて召し上がってください。そのほかにも、にんにくを効かせたソテー、タルタルステーキ、照り焼き、竜田揚げ等もお勧めです。
現在は流通・保存などの進歩が著しく、季節を問わず世界中の食材が手に入れることができるため、旬ということが消えつつあることは、私たちの食卓にも悪影響を及ぼします。私達も地元の食材を見直し、食卓に季節をとり入れる努力をする必要がありますね~



2012年 季節の食を知る 管理栄養士コラム

季節の食を知る:管理栄養士の後藤恭子さんからの季節コラムです。毎月、旬の食材や行事食・トピックスなどをお届けします!

冬:風邪

みなさんこんにちは!月日の経つのは早いもので、もう12月に入りました。今年の夏の暑さは異常でしたね。また集中豪雨や竜巻があちこちで発生し、私達の生活を脅かしましたが、大丈夫でしたか?これから北風ピューピュー冬本番になります。そして風邪ひきさんが多くなります。「風邪は万病のもと」と言われるように、侮っていると様々な病気の原因になります。症状に気づいたら一刻も早く安静にして回復するよう心掛けてくださいね。
【風邪を予防するには】
風邪のウイルスは温度・湿度が低いと長い時間生存します。気温が低下して乾燥する季節に風邪が流行るのはこのためです。ウイルスの侵入や感染から身を守りましょう。
〇マスクの着用、うがい、手洗いを励行してウイルスの体内への侵入を防ぎましょう。
〇睡眠不足は疲労回復を妨げ、抵抗力を弱め風邪を引きやすくするので、充分な睡眠をとりましょう。
〇加湿器や濡れタオルを部屋に置くなどして、適度な湿度を保ち、ウイルスの感染しにくい環境を作りましょう。
〇常に規則正しい生活とバランスの良い食事を心がけ、ウイルスに対する抵抗力を高めておきましょう。
〇緑黄色野菜、果物、芋類。牛・豚肉・大豆・にんにく・葱など風邪予防に役立つ食品を積極的にとりましょう。
〇少しでも寒気を感じたら、温かい飲み物や料理で体の中から温めましょう。
【風邪にかかりやすい時とは】
疲労が重なった時、気がゆるんだ時、体力が衰えた時などはウイルスに感染しやすくなります。また体を冷やしたり、汗をかいた後薄着でいたり、うたた寝をしたり、食生活が不規則で充分な栄養が摂れないときなどウイルスに対する抵抗力が低下して感染しやすくなります。
今年の冬も元気で、新しい年を健やかに迎えることができますように!


秋:健康寿命

みなさんこんにちは!今回は「健康寿命」について2010年の厚労省の調査では、日本人の平均寿命は男性79歳、女性86歳となっています。我が国の平均寿命は世界トップレベルの長寿大国ですが、長寿者には寝たきりや認知症など元気とはいえない不健康で、日常生活に支障のある人も含まれています。これからも医学の進歩等により延び続けると予想されています。では、「健康寿命」とは、どのような状態をいうのかと言いますと、「一生のうち、健康で支障なく日常の生活を送れる期間」のことです。厚労省は、この期間を初めて算出して「健康寿命」と名付けて公表しました。それによりますと、男性70歳、女性73歳という結果がでました。ということは男性は9年、女性は13年、日常生活に差し障りのある不健康な期間というわけです。両者の差の拡大は、寝たきりや認知症といった元気とはいえない不健康な期間が延びることで支える家族も大変です。健康な期間が長くなれば本人にとって幸福ですし、負担となる介護や医療の費用も抑えることができます。
両者の差を縮めるには、健康寿命を延ばすためにはどのようにすれば良いのかといいますと、1日3食をきちんと食べる事、バランスの摂れた食事を心がける事、塩分を控える事など正しい食習慣を身につけ、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の発症を防ぎましょう。そして適度な運動、充分に休息をとること、禁煙やお酒を控え目にすること、積極的に趣味を持ったり、おしゃべりをするなど、生活習慣を整えることが大切です。「自分の健康は自分で守る」という気持ちで毎日を有意義に過ごしてくださね。


夏:和食

今回は新聞で気になる記事が掲載されていましたので取り上げてみました。
それは、「日本の食卓から和食は消滅?」という記事です。海外ではヘルシーで美しい盛り付けの和食が人気を高めている一方で、日本人の和食離れが進んでいるとの事。
東京ガス都市生活研究所が首都圏の20~80代、約3300人に行った調査では、「味噌汁を毎日1回は飲みたい」という人が、1990年の77%から2011年には65%に減少した。特に20代では半数以下。朝食にご飯とパンのどちらを主に食べているかという設問では、ご飯が1990年の44%から2011年の34%に減少。パンやシリアルは35%から40%に増加したとのこと。1988年から家庭の食卓調査を続けている広告会社が、母親が60年以降に生まれた、子育て家庭を対象に、1週間の食事を写真や日記で記録して行った調査では、スナック菓子やビスケットだけの朝食や昼食、サンドイッチと焼きそばといった「主食重ね」の夕食。食器を使わず、アルミホイルを皿代わりにする。箸をきちんと使えない子供。家族はそれぞれ好きなものをバラバラ時間に食べるー。家族が食卓を囲んで、一汁三菜を基本にした食事をするという理想からはほど遠い。「今、配膳やマナーなども含めた和食はもはや家庭内では途絶えているのではないか」指摘しています。我々食に携わる管理栄養士たちも以前から危惧していることです。
日常の生活が乱れることで、食事も乱れてきます。夜遅くまで起きているから朝起きれない。夕食の時間が遅いので朝食の食欲がわかない。人間の健康の源は朝食にあるのです。朝食をしっかり食べることで体内リズムが整います。小学生が朝礼の時に倒れてしまう、授業中ぼーっとしている、すぐ切れる、いらいらしやすいなど食事の乱れが多いに関係しています。
食事の基本は、○1日3食をきちんと食べること。○朝食・昼食をしっかり食べ夕食を軽く。○何をどれだけ、いつどのように食べるか。○食事は主食+主菜+副菜+副菜を基本に。○いろいろな食品をバランスよくです。
毎日の生活・食習慣が健康を左右します。今が健康でも不規則な生活を続けていると必ずさまざまな症状が出てきます。症状が出る前に生活を見直してみましょう。「健康三彩」は主菜+副菜+副菜のバランスがとれた理想的な食事です。ぜひ召し上がってください。


春:お酒

みなさんこんにちは!前回に続いて「お酒」のお話しです。お酒の種類や適量を理解していただけましたでしょうか?昔から「酒は百薬の長」と言われ、虚血性心疾患のリスクを低くするとかHDLコレステロールを増加させる等の効果があると言われています。しかしだからと言って、いくら飲んでも良いと言うものではありませんね。人にはそれぞれ適量があります。適量を超えた長期にわたるアルコール摂取は、脂肪肝、肝硬変、その他膵炎、食道がんなどのリスクを高め、さまざまな疾患の原因となる可能性が高まります。皆さんには、ぜひ正しい飲み方を理解してお酒を楽しむコツを覚えてほしいと思います。
○エネルギー量を考えながら、おつまみはバランス良く選びましょう。
刺身・焼き魚・だし巻き卵・枝豆・湯豆腐・チーズなど蛋白質を多く含むメニュー。野菜サラダ・野菜スティック・野菜炒め・お浸しなどビタミンやミネラルを多く含むメニュー。フライドポテト・から揚げなど油を多く使ったおつまみはカロリーも高く、肥満や脂質異常症のリスクが高まるので控えましょう。
○飲酒の前に、胃に食べ物を入れておきましょう。
胃が空っぽの状態でお酒を飲むと、アルコールの吸収が早くなります。チーズ一切れ、枝豆1さやでも食べておくと胃への負担が減り、酔いも軽減されます。
○ストレスをお酒で解消するのはやめましょう。
男性のストレス解消法の第1位にあげられています。「やけ酒」はアルコールによるエネルギー摂取をいたずらに増やします。適量を楽しく飲む習慣をこころがけましょう。
○1週間に1~2日は、休肝日を!
肝臓への負担を軽減し、脂肪肝や肝炎になるリスクを低くするために、休肝日を作りましょう。ただし、休ませたからといって他の日の大量飲酒はダメですよ!ノンアルコールビールやビアティストドリンクなども活用することをお勧めします。
○楽しい雰囲気で飲みましょう。
○時間をかけ、食べながら飲みましょう。
○アルコール度の強いお酒は、ごく少量か薄めて飲みましょう。
○体調が悪いときは特に気をつけて飲みましょう。
○お酒の無理強いはしないようにしましょう。


2013年 季節の食を知る 管理栄養士コラム

季節の食を知る:管理栄養士の後藤恭子さんからの季節コラムです。毎月、旬の食材や行事食・トピックスなどをお届けします!

冬:行事と和食

みなさんこんにちは!月日の経つのは早いもので、今年も残すところ12月だけになりましたね。これから冬本番に入りますので、健康に充分気をつけて新しい年をお迎えください。この度、「和食」が世界無形文化遺産に登録される見込みとなったようで、嬉しいことです!五穀豊穣・子供の成長・国の繁栄など、さまざまな行事が伝えられてきていますが、それらの行事には、食物や食べる事に関係しています。国民が常に豊作を願い、「食べること」に感謝をする。このような生活風土が、登録に多少関係しているのではと思います。冬の様々な行事を取り上げてみますので、生活にとり入れてみてください。
【12月22日:冬至】
太陽が黄道上の冬至点を通る時で、昼が最も短くなる日です。この日にかぼちゃを食べる習慣があるのをご存知ですか?かぼちゃに含まれるカロテンが皮膚や粘膜を保護する作用があり、風邪などの感染症予防に効果があるためといわれています。また柚子湯に入ってしんから温まり、寒気をはねのけるという習慣もあります。古くからのこうした習慣には、健康を願う昔の人の暮らしの知恵が込められています。
【12月31日:大晦日】
今年最後の一日を温かな「年越しそば」で締めくくってみては?「年越しそば」はその昔、良い天候が続き、特に良い作物ができたので、次の年も豊作が続くようにと縁起を担いで長いそばを食べたことがそもそもの始まりだそうで、家内の幸運をそばに託した庶民の願いが込められていたようです。
【1月:お節料理】
おせちとは、お節供がなまった言葉で、年の神様に供える料理のことだそうで、年の始りのお正月のお祝いを特に盛大にした事から、お正月料理のだけ「お節」という言葉が残り、それがお節料理の始りとなったそうです。お節料理の黒豆・田作り・きんとん・昆布巻き・紅白なますなど、それぞれの料理には由来があります。日本ならではの行事食を一品でも二品でもできるものだけで構いませんので、作って味わってみるのはいかがでしょうか?
【1月7日:七草がゆ】
無病息災を祈って、春の七草(せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ)を入れて炊いたお粥。お正月の食べ過ぎや飲みすぎにより、疲れた胃を整えるために食べます。
【2月3日:節分】
節分は、立春の前の日に当たり、旧暦では立春の日を元旦としています。新しい春を迎える前の厄払いという意味で、豆まきをして鬼を追い払ったそうです。さあ、当日は思いっきり「鬼は外、福は内」と声をはりあげてみましょう。そして歳の数だけお豆を食べて厄払いをしましょう。

秋:秋刀魚

みなさんこんにちは!実りの秋到来ですね~
新米を使っての、松茸ご飯や栗ごはん、秋刀魚の塩焼き、秋鮭のムニエル、土瓶蒸しなど、秋の味覚がしっかり楽しめます。
中でも、字のごとく、秋が旬の「秋刀魚」、秋刀魚は回遊魚で8月までは千島近海を泳いでいて、9月になると南下し、10月中旬頃に房州沖にやってきます。この時期が旬で脂がのって最もおいしいです。別名“薬のさんま”といわれる由縁は、生活習慣病を予防するEPA、DHAの含有量がとても豊富なこと。骨や歯を丈夫にするカルシウムの吸収率を高めるビタミンDも豊富。また、3大栄養素の蛋白質、脂質、炭水化物がエネルギーに変わるのを助けたり、発育を促したり、過酸化脂質からの害を防ぐ働きをするビタミンB2も多く含んでいます。それに加えて、造血作用に関わるビタミンで、葉酸と協力して悪性貧血を防いだり、神経や脳の機能を正常に保つ働きのあるビタミンB12も多く含んでいます。これらの薬効は脂に多く含まれていますので、焼き魚にするときは、姿のまま、脂を落とさないように注意しましょう。
栄養素を無駄なく摂る工夫として、刺身、酢の物、時には甘辛煮、カレー煮などの煮つけもお勧めです。わたに抵抗がある人でも、砂糖やしょう油と一緒に火にかけて、秋刀魚に煮絡めるたれにするとおいしく食べられますよ。
ところで焼き魚に付きものの大根おろし、焼き魚の焦げには発がん物質が含まれています。大根に含まれているアミラーゼという酵素が、この物質を分解してくれます。焼き魚には大根おろしの組み合わせで食べましょう。

夏:食品管理

みなさんこんにちは!みなさんの家庭には、どのくらいの食品がストックしてありますか?それらの食品の中には、購入した日やいただいた日を忘れたり、保管状態が悪かったなどの理由で、食べずに処分してしまうものがかなりあるのではないですか?これから暑くなる季節になります。「家庭における食品管理」をしてみてください。
〇食品を購入するときは、期限表示だけでなく、表示された保存方法に従って、店頭できちんと管理されているかどうかもチェックしましょう。
〇各家庭の食生活や買い物のサイクルにあわせて、食品を購入するときは、あまり買い込まないようにしましょう。必要以上に無計画に購入すると、捨てる物も多くなりがちです。
〇購入した食品は、保存方法を確認して適切に保管しましょう。
〇冷凍に向く食品の場合は、フリージングしておくと保存期間が延長します。すぐ使わないときは冷凍保存しておくと無駄になりません。
〇冷蔵庫や食品収納庫、流し台や調理台の下など、食品の保存場所をときどきチェックして、期限の近づいたものは、なるべく早く消費するようにしましょう。
〇冷蔵庫の過信は禁物です。特に夏場は期待しているほど庫内の温度は下がっていない場合もあります。期限内でも、色、臭い、あじの変化に気をつけて食べるようにしましょう。
〇冷蔵庫の開け閉めは極力少なめに。開ける毎に庫内の温度は極端に上がります。

【ちょっとブレイク!】
そろそろミントの季節です!春先から新芽が伸びだし一雨ごとに葉はどんどん大きくなってきます。近づくとミントの香りが漂い新芽を摘んで口に含むと爽やかな香りと清涼感が広がります。 生葉をそのまま熱湯で抽出しても良し、紅茶のティーパックに入れると美味しい紅茶に、緑茶に入れて冷ましても爽やかな風味を楽しめます。ジメジメした梅雨時や、熱い夏にはお勧めです。

春:鰆(さわら)

みなさんこんにちは!3月!春の訪れですね~。吹く風が春らしくなり新芽が芽吹き、4月になれば桜の花、若葉が美しい季節になります。ふきのとう・うど・菜の花・たけのこ・たらの芽・ふき…。さわら・むつ・さより・ほたるいか・あおやぎ・とびうお・かつお…
春に旬の野菜、魚など店頭をにぎわしてくれます。
そして、冬から春にかけて旨くなる代表的な魚といえば「鰆」、字のごとく「さわら」です。体側に多数の青褐色の斑紋があり、成長すると細長い形で全長1mにもなる大型魚です。白身魚で味は淡白ですが、脂質が多く肉質がやわらかいのが特徴。栄養的にも、たんぱく質を多く含み、脂質、ビタミン類も一般の白身魚よりも含有量の多いことが特徴です。
【調理のポイント】
うす塩をして水分を抜いてから調理すると旨みが凝縮して美味しくなります。さわらは、尾の側の方が美味なので切り身を購入するときは気をつけましょう。一匹で購入する際は、背の斑紋がくっきりとして腹部がしっかりとしまったものを選びましょう。調理法としては、照り焼き・塩焼き・味噌焼き・フライ・ムニエル・グラタンなどに向いています。


2014年 季節の食を知る 管理栄養士コラム

季節の食を知る:管理栄養士の後藤恭子さんからの季節コラムです。毎月、旬の食材や行事食・トピックスなどをお届けします!

冬:いわし

みなさんこんにちは!早いもので冬のコラムを書く時期になりました。
これからは冬本番!寒さが気になるこの時期は、温かいお料理が何よりのご馳走ですね!特に、鍋料理やおでんはフーフー言いながら大勢でワイワイ食べるのが最高です。鍋料理やおでんの食材にピッタリの「つみれ」。今回は「つみれ」の原料となる、“いわし”のお話しです。
以前は大衆魚No.1と言われていた「いわし」も最近では高級魚の仲間入りをするような値段になりました。魚好きな人に言わせますと、「たい」より美味しいと言うそうな…
いわしの仲間には、まいわし・うるめいわし・かたくちいわしなどがあり、一般的にいわしと呼ぶものは、まいわしです。丸干しにするのはうるめいわしで、たたみいわしや煮干しにするのはかたくちいわしです。しらす干しは、まいわしやかたくちいわしの稚魚を蒸して乾燥させたものです。そして更に乾燥させたものがちりめんじゃこです。
調理法としては、刺身・干物・煮付け・つみれ・フライなど様々な調理法でおいしくいただけることができます。栄養的には、良質のたんぱく質やドコサヘキサエン酸・エイコサペンタエン酸やビタミンも多く含み、成長期の子供から、お年寄りまで皆さん多いに食べてほしい食材です。
店頭で選ぶときは、肌につやがあり、反り返るようにピンと張って身が締まっているものを、目がイキイキとして、うろこが取れていないものを選びましょう。
調理をする時、匂いが気になる人は生姜や梅干しを入れて煮ると臭みが消え、更に梅干しの酸で骨まで柔らかくなりカルシウムの補給にもなります。いわしはいたみが早いので、購入したらその日に食べるようにしましょう。

秋:ダイエット

今回は「ダイエット」についてです。世の中のダイエットブームは一向に廃ることはなく、・糖質抜きダイエット・1日1食ダイエット・青汁ダイエット・置き換えダイエット…。そしてこれらのダイエットが正しいと医者が奨励していることもあり、実行している人が大勢いるようで、何か管理栄養士としてやるせない気持ちになることがあります。
本来「ダイエット」とは、肥満の人や痩せすぎの人が、正しい食べ方や食習慣を身につけ適正体重に近づけることなのです。ここで、自分の適正体重を算出してみてください。
計算式は、適正体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
例えば、身長160cmのAさんの適正体重は 1.6×1.6×22=56kg
Aさんの適正体重は56kgという事になります。現在のAさんの体重が61kgだとしたら、6kg多いので減量する必要があります。又逆に50kgだとしたら、食事の量や栄養のバランスが取れているのか、など見直してみることも必要です。大切なことは、ダイエットをするということで、食事の量を急激に減らしたり、食事の回数を減らしたり、1食をジュースや、低カロリーのお粥だけにしてみたり、ハードな運動をして・・・1ヶ月で2kg減らそうなどという事は決してしてはいけないことです。なぜならば、そのような極端な事は長続きしないからです。もし、3年前頃から太ったのであれば3年かけて減量するというぐらいの気持ちで減量してください。大切なことは、なぜ太ってしまったのか~食事や日常生活を振り返ってみることです。
例えば、2kg太ってしまったけど、この2kg太る前の自分がどうだったのか。いわゆる自分が一番健康だった時期を思い出してみましょう。あの頃は余り間食をしなかったとか、朝食を欠かさず食べていたとか、1日3食きちんと食べていたとか、もっと毎日活発に動いていたとか、色々と出てくるでしょう。その他にもメニューに気を使っていたとか、ウォーキングを日課にしていたとか、夜更かしをしなかったなど、たわいのない事のようでも身体には正直に結果がでます。少しずつの積み重ねの違いが出てくるのです。健康だったころのことを思い出して、それが良かったことがわかれば、すこしでも前の良かった時の生活に戻すようにしましょう。このように自分自身に気づかせることがダイエットの第一歩です。

夏:和食

みなさんこんにちは!「和食」が世界無形文化遺産に。2012年12月4日に嬉しいニュースがマスコミを賑わしましたね!ユネスコが、「和食」の食文化が自然を尊重する日本人の心を表現したものであり、伝統的な社会慣習として世代を超えて受け継がれていると評価し、無形文化遺産に登録することを決めました。日本政府は2012年3月に無形文化遺産に登録申請する際に、「和食:日本人の伝統的な食文化」の特徴として、以下の4点を挙げました。

1、多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情豊かな自然が広がっているため各地で地域に根差した多様な食材が用いられている。又、素材の味わいを活かす調理技術・調理道具が発達している。
2、栄養バランスに優れた健康的な食生活
一汁三菜(1種類の汁物と3種類の菜からなる日本料理の基本的な膳立て)を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われている。また、「うま味」を上手に使うことによって、動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿、肥満防止に役立っている。
3、自然の美しさや季節の移ろいの表現
食事の場で、自然の美しさや四季の移ろいを表現することも特徴の一つ。季節の花や葉などで料理を飾り付けたり、季節に合った調度品や器を利用したりして、季節を楽しんでいる。
4、年中行事との密接な関わり
日本の食文化は、正月などの年中行事と密接に関わって育まれてきた。自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間を共にすることで、家族や地域の絆を深めてきた。

このように和食の良さを世界が認めている中で、国内では特に若者の和食離れが進みジャンクフードや、動物性脂肪の多い食事が原因で様々な弊害が出てきています。今一度、日本人にとってどのような食事が良いのか原点に立って見直して欲しいですね!

春:あさり

みなさんこんにちは!今年の冬は例年にない大雪が各地で猛威を振るいましたが、被害はありませんでしたでしょうか?とは言え、もうそこまで春がきていますね!吹く風も少しずつ春らしくなってくることでしょう。
これから里の幸として、菜の花・うど・にら・筍・たらの芽・うど・アスパラガス…
海の幸では、むつ・さより・あおやぎ・きす・かじき・あさり・鰹・太刀魚…
海辺の風物詩として「潮干狩り」 皆さんも楽しかった思い出としてあるのでは?

今回は「あさり」のお話しです。
主産地は、東京湾・伊勢湾・瀬戸内海・有明海など全国各地で、波打ち際から10m位の海底に、5cm位もぐってすんでいます。あさりは1年中出回っていますが、2~4月は身が太り、旨み成分も増えるので味わい時です。夏頃のあさりは産卵期に入り、生殖巣に毒を持つことがあるので十分に加熱するなど注意して食しましょう。
貝類特有の旨みは、旨み成分のコハク酸を多く含んでいるからです。ですから調理をする時“だし”を必要としません。甘味はグリゴーゲンによるものです。おいしく味わうためには、生きていることが条件です。あさりは砂を含んでいるので調理の前には砂抜きが必要です。砂抜きは、海と同じ2~3%の塩水で、貝殻がすれすれ位の水量につけて砂を吐き出させましょう。
上手な選び方は、殻つきの場合模様がはっきりしていて、口をしっかり閉じているもの。水管を出して勢いよく水を噴出しているものが新鮮です。模様がぼやけ、全体に茶色っぽくなったものは鮮度が落ちている証拠です。
調理するときは、殻どうしをこすり合わせ、汚れやぬめりを落としましょう。そして加熱しすぎると硬くなるので注意しましょう。加熱した時に出る汁には、旨みや栄養がたっぷり含まれていますので、煮汁も一緒に食べられる料理がお勧めです。ぜひ、旬のこの時期に味わってください!


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