2009年 季節の食を知る 管理栄養士コラム

季節の食を知る:管理栄養士の後藤恭子さんからの季節コラムです。毎月、旬の食材や行事食・トピックスなどをお届けします!

12月:白菜

みなさんこんにちは!1年の締めくくりの月になりましたね!
22日は「冬至」、二十四節気の一つ、北半球では正午の太陽が最も南に傾くので日照時間が最短となり、夜が最長の日です。この日から「畳の目だけ日が伸びる」と言われています。この日に食べる冬至南瓜。これはかぼちゃに多く含まれるカロテンが、皮膚や粘膜を保護する作用があり、風邪などの感染予防に効果があるためと言われています。
また、柚子湯に入って芯から温まり、寒気をはねのけるという習慣もあります。
年の瀬の忙しさや、寒さが気になる時期は、温かいお料理が何よりのごちそうですね!バランスのよい鍋物やおでん、けんちん汁などで、体の中から温めたいものです。 今回は鍋物の食材に欠かせない「白菜」について
どっしりとした形、黄緑色と白色の淡い葉と茎が何となく体を温めてくれるような気がしませんか?葉の肉質は軟らかく、水分が多く歯ざわりが良くて淡白な味です。

~調理のポイント~
白菜に含まれるビタミンやカリウムは水溶性ですから、スープや煮汁ごといただく鍋ものなどは理想的な料理法です。また、外葉の肉厚の部分は浅漬けや甘酢漬けに、芯に近い部分は炒め物に、柔らかい葉や茎は生でサラダやナムルにするなど、それぞれにあった調理法を選ぶのが美味しく食べるコツです。葉の大きさも外側と芯に近い方ではずいぶんと違いますので、大きい葉はその大きさを利用して巻き物の料理に使い、だんだん小さくなってきたら丸のまま煮込むなど、バリエーションが楽しめます。
~保存するときは~
選ぶ時は、根本の切り口が新しく、みずみずしいものを選びましょう。小ぶりでも固く巻いて重量感のあるものがお勧めです。丸ごと購入したら外葉は捨てないで残った白菜に巻きつけるようにかぶせて、新聞紙で包んで立てて保存をし、乾燥を防ぎましょう。


11月:里芋

みなさんこんにちは!
秋も深まり、7日は「立冬」。冬の気配が現れてくる頃ですね。歴の上ではこの日から冬に入ります。まだ秋の続きのようでもありますが、冬の季節風が吹き始めたり、日暮れが早く手足の冷えを意識するのもこの頃ですね。
この時期のスーパーや八百屋さんには、泥のついたコロコロ、ゴロゴロとした「里芋」が並べられていますね!里芋は、里で摂れるので「里の芋」と名がついたとか~。里芋類には、食べる部分が、子芋、親芋、親芋と子芋両方のものがあります。あの里芋独特のヌルヌルの粘性の成分は、ガラクタンやムチンなどで、炭水化物とタンパク質の結合したものだと言われています。ムチンは、胃の粘膜をうるおし、保護する働きがあります。内臓の機能を高める作用や消化を促す作用、便通の改善にも効果があるといわれています。また、たんぱく質を無駄なく活用させる働きはスタミナの増強に効果があります。

~調理のポイント~
里芋の皮をむくとき手がかゆくなりますが、これは手に塩か重層をつけてむくと防ぐことができます。また、皮つきを洗ってから乾かしてからむくと手はかゆくなりません。白煮にする時は皮をむいてから塩もみをして茹でこぼし、ぬめりをよくとってから調理しましょう。煮ころがしにする時はぬめりを少し残して調理し、汁物にする時はぬめりをとらないで調理した方が持ち味が活かせます。いずれにしてもぬめりに含まれているムチンの薬効を活かすには、できるだけ落とさないようにしましょう。

~美味しい食べ方~
小芋なら、皮ごと蒸して塩をつけて食べるきぬかつぎが美味しいです。そのほか煮物・含め煮・おでん・味噌田楽・けんちん汁などさまざまな料理にむいています。里芋の栄養価を活かすには、イカやタコ・海老などタウリンを多く含む食品と組み合わせると肝臓の働きを高めます。またカリウムを多く含んでいるので塩分を控えたい時の食材としておすすめです。

~保存するときは~
5度以下の温度だと長持ちしません。冷蔵庫には入れないで泥つきのまま乾燥しないように新聞紙にくるんで室温で保存しましょう。


10月:いわし

みなさんこんにちは!スポーツの秋、芸術の秋、味覚の秋、そして馬肥ゆる秋です!
さんま・さば・いわし・さつま芋・里芋・まつたけ・柿・りんごなどなど~美味しいものがいっぱい!今回は~いわし~のお話しです。
大衆魚No.1の「いわし」は、魚好きの人によりますと、「鯛」よりおいしいと言われるとか…。一般にいわしと言えば、まいわしを指します。その他に、うるめいわし、かたくちいわし、きびなごなどがあります。 加工品として、丸干しはうるめいわし、田作りや煮干し・タタミいわしは小型のかたくちいわし、しらす干しは、かたくちいわしの稚魚などから作られます。調理法も、刺身、つみれ、煮付け、フライ、天ぷら、干物、缶詰など、どんな食べ方をしても美味しいです。栄養的にもEPA・DHAはもちろんのこと、良質のたんぱく質や、骨を丈夫にする栄養素がたっぷり含まれていますので、成長期の子供からお年寄りまで積極的に食べたい魚ですね。

~美味しい食べ方~
煮付けや塩焼きが一般的ですが、新鮮なものは刺身や寿司だねがお勧めです。頭をおとして手開きにして、かば焼き風にしてかば焼き丼も美味。すり身にしてハンバーグやさつま揚げ、フライやマリネもお勧めです。
~調理のポイント~
いわし独特の匂いがどうも…という方も多いのでは。匂いが気になる人は、生姜や梅干しと一緒に煮ると良いでしょう。梅干し煮にすると、梅干しの酸で骨まで柔らかくなり、丸ごと食べられます。梅干しが苦手な人は、酢で下煮してから煮つけると良いでしょう。
EPA・DHAを含む不飽和脂肪酸は、酸化されやすいので抗酸化作用のある緑黄色野菜と組みあわせるのがポイントです。
~選び方~
うろこが沢山ついていて、青く光り、身にはりがあり、目が澄んではっきりしたもの、体がピーンとして、身に比べて頭が小さく腹太りしているものを選びましょう。いわしはいたみやすいので、買ったその日に食べるようにしましょう。煮つけたり、すり身にして火を通しておくと、冷蔵庫で2日程もちます。


9月:茄子

みなさんこんにちは!
デパートやスーパーの食品売り場には、「ポリフェノールがいっぱいよ~」と言いたげな、濃紫色した皮がピカピカの「なす」。1年中出回っていますが、美味しいのは夏から秋にかけての露地ものですね!最近では、形も様々で長なす・丸なす・小丸なす・米なすなどが出回っています。また産地により京都の賀茂なすや、新潟の巾着なすは有名ですね!「なす」の実は約95%が水分で、栄養的には期待できませんが、特徴は皮の紫色です。鮮やかな色は、ナスニンと言う色素によるものです。これはコレステロール値を下げて動脈硬化を予防する働きがあります。それともう一つ紫色の色素であるポリフェノール。活性酸素を除去・高血圧や老化予防・抗ガン作用があります。これらの成分は、皮に多く含まれているので皮ごと召し上がってください。夏野菜は全般に体をを冷やす作用を持っているのですが、中でもなすの効果は強く、暑さ負けしそうなときや、体のほてりやのぼせが強いときに食べると効果があるといわれています。「秋なすは嫁に食わすな」という諺をご存知ですか?秋なすは体を冷やすので、妊娠や流産を避けるために、というお嫁さんへの思いやりで食べさせないという意味のようです。

~調理のポイント~
なすはアクが強く、切り口が空気にふれると変色しやすいので、調理する直前に切り、皮をむいたり切ったりしたら、切り口に軽く塩をふったり、水にさらすようにしましょう。
~美味しい食べ方~
なすは、油と相性が良くてんぷらや炒めものがおすすめです。また夏野菜をたっぷり入れてトマト味で煮込んだラタトイユや夏野菜カレーは夏バテにぴったりの料理ですね。これらの調理をする時もあらかじめ油で炒めておくと良いです。しぎ焼き・田楽・マリネ・煮物・麻婆茄子などもおいしいです。ところで、なすの漬物に「くぎ」を入れるのは?なすの色は、ナスニンという色素で、アルミニウムや鉄のイオンと結びつくときれいな紫色になるからです。
~選び方~
選ぶ時は、へたの上の切り口がみずみずしく、へたにとげがあり、皮はつやがあって身にははりがあるものを選びましょう。保存するときは、乾燥しないようにビニール袋に入れて10度前後の涼しいところに置きましょう。


8月:香味野菜

みなさんこんにちは!
夏本番!お元気ですか?8月の暑さは一段と厳しくなりますね。夏は気温や湿度が高いので、身体は体温を下げるために発汗し代謝を活発にする一方で、消化液の分泌が減少して、胃の消化力が落ちて身体も疲れやすくなります。食欲のない時にお勧めなのが、今が旬の香味野菜です!

☆みょうが
1年の内で本当にこの時期しかお目にかかれない食材です。豆腐にかけたり、そうめんの薬味にしたり~。みょうがはレッキとした日本原産の野菜で、日本でしか食べられていないとか。シャキシャキとした歯ざわりとさわやかな辛みが食欲増進にもってこいで、夏バテ解消に一役かっています。
☆しそ
さわやかな香りと色で食欲を刺激して、食欲を増進させてくれる夏の食卓の名脇役!薬味として、花・実・葉のいずれも使用でき、特にお刺身には無くてはならない食材です。葉を刻んでサラダに入れたり、千切りにして塩もみした野菜と和えたり、刻んでから水に晒したしそをご飯に混ぜると風味豊かなしそご飯になります。
☆しょうが
独特の辛みと香りが、食欲を増進させ、新陳代謝を活発にする働きがあります。冷奴やお刺身の薬味に、消臭作用が高いので臭いの気になる肉や魚料理にお勧めです。
☆セロリ
女性のためにあるような香りのよい野菜です!独特の香りが食欲増進・イライラ解消に効果があります。この時期フレッシュに塩やマヨネーズでバリバリ召し上がってください。栄養は茎より葉の方にありますので、捨てずに適当な大きさに切り、油でサッと炒めると美味しくいただけます。

ぜひこれらの食品を上手に調理に摂り入れて暑い夏を乗り切ってくださいね!


7月:冬瓜

みなさんこんにちは!
この時期、お店の片隅にドーンと居すわっている、”冬瓜”。「あーあれ何?すいかのおばけ?」なんて言う人もいるかも知れませんね~。なんと大型円筒形で重さは4~8kgあるのですから…
夏なのに冬瓜?冬瓜は夏に収穫されますが、保存性が良く、冬まで持つことがこの名の由来です。皮の表面に白く粉を吹いたようになるのが特徴。かんぴょうの原料となるゆうがおや、奈良漬にするしろうりや、にがうりなども冬瓜の仲間です。
成分中約95%が水分で、低エネルギー野菜ですからダイエットに有効です。
冬瓜や西瓜などのウリ類は優れた利尿効果がありますので、体内から塩分の主成分であるナトリウムを追い出す働きをしてくれますが、夏野菜は、水分を多く含み身体を冷やす働きがあります。つまり、野菜や果物など、旬の時期に食すのがベストと言うことです。

~調理のポイント~
皮をむいて大きめに切り、さっと下茹でしてから調理すると良いでしょう。油通しすると煮崩れしにくくなります。

~美味しい食べ方~
冬瓜は90%以上水分なので、とても淡白な味わいです。この特徴を活かし、薄味の和風だし汁やスープでじっくり煮込んで内部まで味をしみ込ませる食べ方や田楽やふろ吹きのように表面に味噌などの濃い味をからめて、冬瓜の淡白な味を引き立たせる食べ方があります。種々の調理法で旬の冬瓜を味わってください。

~保存するときは~
夏に収穫された物を丸ごと風通しの良い冷暗所で保存すれば冬までもちます。カットしたものは、ラップをぴっちりかけて冷蔵庫に入れておきましょう。食べやすい大きさに切って下茹でをして、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存しておくと味噌汁やスープの具としてすぐに使え便利です。


6月:台所の衛星管理

みなさんこんにちは!
じめじめとうっとうしい梅雨の季節が今年もやってきましたね。
この時期気になることは「食中毒」です。今回は「台所の衛生管理について」です。

~台所全体~
・換気をよくして、ゴミは衛生的に管理しましょう。
~調理する人~
・手はしっかり洗う。爪は短く切り、マニキュアはしない、指輪もはずしましょう。
・手に怪我をしている場合は、使い捨ての手袋をするなどして、傷口が食品にふれないようにしましょう。また調理する人自身が、心身ともに健康であることが大切です。
~まな板~
・肉・魚用と、生で食べる野菜用は分けましょう。同じものを使う場合は、その都度よく洗いましょう。(肉・魚を切った後は、湯でなく水で洗いましょう)
・日光にあてて日光消毒しましょう。または布巾でくるんで塩素消毒しましょう。
~スポンジ・たわし~
・使用後は、洗剤分も微生物のエサになるので、充分にすすいで水気を切っておきましょう。さらに日光乾燥させれば、消毒効果があります。
~布巾~
・湿ったら続けて使わないで、こまめに乾いたものと取り換えましょう。
・時々煮沸したり、塩素で消毒をしましょう。
~冷蔵庫~
・低温ではありますが、微生物は生きているので冷蔵庫を過信しすぎないようにしましょう。
・開け閉めの回数をなるべく少なくし、物を詰め過ぎると冷えむらや余計な電力消費の原因になるので詰め過ぎないようにしましょう。
・買ってきた食品は雑菌がついていることが多いので、拭いてから入れましょう。


5月:アスパラガス

みなさんこんにちは!
涼しい長野や北海道で大地の苗を植え、3年かけてやっと一人前になる「アスパラガス」。収穫のピークは5月です。時には1日に4~5センチも伸びることがあるそうです。
アスパラガスから発見されたアスパラギン酸は、尿の合成を促進する作用があります。アスパラギン酸はこのアンモニアを体外に排除してくれます。そして神経伝達物質の原料にもなります。また疲労回復や滋養強壮に効果があります。
また、アスパラギン酸はアミノ酸の一種なので、旨みをいっぱい含んでいます。旬のこの時期にはぜひ食卓に並べてくださいね。
皆さんご存じのように、アスパラガスにはグリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスの2種類があります。これは栽培法の違いで、栽培の際、土寄せをしないで伸長した若茎を収穫したものがグリーンアスパラガス。加工専用で、栽培時に充分に土寄せして、若茎が地上部に出る前に収穫するのがホワイトアスパラガスです。

~調理のポイント~
グリーンアスパラガスは鮮度が低下しやすく、保存により硬くなり苦味も増すので、新鮮なうちに調理しましょう。茹でる時は、はかまを包丁で削ぎ、たっぷりの湯をわかし、茎の方を先に縦にして入れ、数分間茹でましょう。

~美味しい食べ方~
この時期は、ぜひ一度そのまま焼いて塩かしょう油で食べてみてください。よく噛むと甘く、油分を感じることができるでしょう。てんぷらやフライ、ポタージュ、ソテーも風味が生きて美味しいですね。茹でたものは、辛子和え・わさびしょう油和え・ごまみそ・サラダなどで美味しくいただけます。


4月:春キャベツ

みなさんこんにちは!
ただいま春真っ盛り!デパートの食品売り場や八百屋さん、スーパーの入り口付近にはふっくらした巻きのキャベツが山積みにされています。キャベツは今一年中ありますが、”春キャベツ”は今しかお目にかかれません。
皆さんご存知ですか?キャベツがさまざまな野菜の元になっていますことを。
茎につく芽を丸くしたのが芽キャベツ。茎を丸くしたのがコールラビ。つぼみを食用に改良したのがブロッコリーやカリフラワーです。お正月の飾り花にする葉ぼたんもキャベツの仲間です。
皆さんは薬局などで市販されている胃腸薬で、キャベジンと呼ばれる薬名をご存じと思いますが、それらに効果のあるビタミンUがキャベツから発見されたので、キャベジンと呼ばれているのです。キャベツに含まれるビタミンCもとても豊富です。大きめの葉を1枚食べれば一日の必要量の約70%を摂取することができます。

~調理のポイント~
ビタミンC・Uは水溶性なので、刻んで水にさらすときは、切る前の葉のままさらして成分の損失を極力防ぎましょう。水に浸すことで約40%位損失するといわれています。ビタミンCは熱にも弱いので、生でサラダやジュースが最適です。ポトフやロールキャベツなどの煮込み料理は溶けだした成分も一緒にとれるとともに甘味がいきます。

~ベストな食べ合わせ~
ビタミンCは、たんぱく質を多く含む食品と組み合わせることで、より吸収率を高めることができます。赤身の肉類や魚介類、大豆製品、卵と組み合わせると良いですね。おなじみのロールキャベツは、相棒の具の挽肉がCの吸収をよりアップさせてくれます。


3月:春野菜

みなさんこんにちは!
吹く風が春らしくなりましたね!20日は「春分の日」、お彼岸の中日で昼と夜の長さがほぼ同じになります。「暑さ寒さも彼岸まで」。言葉通りそろそろ春を感じる頃となります。ものの本によりますと、春分の日は生物を讃え自然を 慈しむ日なのだそうです。陽ざしも暖かく春めいた今日この頃、郊外を歩いてみませんか?春先は都会でも思わぬ収穫がありますよ!気をつけて歩いていますと、”こんなところに!?”と思うようなところに「よもぎ」や「つくし」があなたを待っていますよ!もしかしたら「蕗の薹」や「菜の花」もお待ちかねかも…  春野菜を紹介しましょう。

☆蕗の薹
春の訪れを一番にしらせてくれる「蕗の薹」春は苦味のある野菜を食べると良いと言う言い伝えにぴったりの野菜です。香りと苦みが健胃作用と消化を助ける働きをしてくれます。ふき味噌にしたり、天ぷら・お浸しや和え物、鍋料理にもお勧めです。
☆つくし
「つくし誰の子すぎなの子」とわらべ歌に歌われるように子供には親しみやすい「つくし」野原や畑の畔・土手・道端などの日当たりの良い場所に生えています。はかまと胞子穂を取ってから、茹でて酢の物や佃煮、油炒め・卵とじ・和え物・天ぷらなどにお勧めです。
☆菜の花
旬の春にしか出回りませんから、春が来たら一度は必ず手に入れたい野菜です。あぶらなの若葉を、花がつぼみのうちに摘み取ったもので独特のほろ苦さがあります。さっと茹でてお浸しや、辛子和え、煮物・汁物にお勧めです。
☆せり
春の七草の筆頭にでてくる「せり」、小川などの水辺で育つ水ぜり、田の畔で育つ野ぜり、水田で栽培される田ぜりがあります。お浸し、天ぷら、ごま和え、味噌汁などにお勧めです。アクが強いので下茹でし、水によくさらしてから料理しましょう。


2月:大根

みなさんこんにちは!
ちょっと郊外を歩いていますと、この時期の畑には青々とした葉が今か今かと引き抜かれるのを待っているような「大根」の姿を目にしますね。大根抜きにはコツと力がいるようです。しっかりと地面に根を生やした姿には、強い生命力を感じてしまいますね!
大根は消化作用に優れた野菜で、別名「自然の消化剤」とも言われるとか。その理由は根の部分には、でん粉の消化酵素であるジアスターゼをはじめ、各種の消化酵素が含まれ食物の消化を助けるからです。
大根の淡白な味は、調理法によって様々に姿を変える「大根役者!?」でもあります。煮ても炒めても、おろしても和えてもスープにも、もちろん生のままでも。特におでんの大根や、ふろふき大根は最高です!
大根は部位によって味が違います。葉に近い部分は辛味が弱く硬いので、おろしやサラダに。真ん中の部分は、甘みが強いので煮物やおでんに、皮は干し大根や炒めものに。しっぽの部分は、辛味が強く繊維も多いので味噌汁や漬物に。葉は、漬物や炒めもの・混ぜごはんに、丸ごと一本を上手に賢く調理して、力強い大地の恵みを余すことなくいただきましょう。大根おろしをするときは、根に含まれるビタミンCは皮の近くに集中しているので、皮付きでおろしましょう。また時間の経過とともに、ビタミンCは30分の放置で20%損失し、ジアスターゼも消えてしまうので、食べる直前におろしましょう。

選ぶ時は、肌が白くて、きめ細かいもので、全体にはりのあるもの、葉がピンとしているものを。収穫期が遅れたり、収穫後葉付きのまま時間がたったものは、”す”が入っていることが多いようです。また首の黒いものは畑で老化してしまったものに多いので避けた方がよいでしょう。


1月:おせち料理

新しい年が始まりました。1年の計は元旦にありと言われるように皆さんそれぞれ計画を話し合われたことでしょうし、初詣で願い事を願っていらしたことと思います。1月は伝統的な行事がたくさんあります。これらのことはぜひ次世代に受け継ぎたいものです。

☆おせち料理
「おせち」は節会料理の省略された言い方で、その昔、1月1日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日の年5回を祝う風習が中国から伝わり、年中行事化されていました。その日は節句と呼ばれ、身体のためになり、栄養のあるごちそうを食べて元気をつける、その料理が「おせち」だったそうです。
中でも正月という年間最大の節句を祝う料理は一番のごちそうでした。年の初めのおせち料理は、祝い肴(黒豆・数の子・ごまめ)、口取り(伊達巻き・栗きんとん)煮しめ(蓮根・人参・結び昆布・椎茸・八つ頭・牛蒡)、紅白なます、揚げえびなど、見事に食材を活かした料理で目も心も楽しませてくれます。
そしてそれらの料理には、数多くの日本人の知恵が込められています。
たとえば黒豆はまめに達者で暮らせるように。昆布は喜ぶ(よろこんぶ)ことの語呂合わせ、数の子はたくさんの子宝に恵まれるように…
飽食と言われる時代ですが、食べられることへの感謝の気持ちを持つことが大切ですね。

☆七草粥
7日に食べる七草粥は、食べすぎや飲み過ぎで疲れた胃を休めるのにピッタリです!
春の七草、せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろを入れたシンプルなお粥です。
因みに、春の七草は食べたり摘んだりするものですが、秋の七草は眺めて楽しむもので、はぎ・ききょう・くず・なでしこ・おばな・おみなえし・ふじばかまの7種です。


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